2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際舞台における日本人のイメージの形成 ―マダム花子の残像―
Project/Area Number |
23820081
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
根岸 理子 国文学研究資料館, 学術企画連携部, 機関研究員 (80322436)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 比較演劇 / インターカルチャリズム / ジャポニズム / オリエンタリズム |
Research Abstract |
「マダム花子(1868-1945)」と称され、20世紀初頭20年近くにわたって欧米で興行し、彫刻家ロダンのモデルともなった日本女優の活動を調査することにより、日本人が海外でどのようなイメージを作り上げてきたのか明らかにすることを目的とした研究であった。 今までほとんど調査されていなかったアメリカを訪れることにし、2012年6月、2013年1月、2013年3月と、3度にわたってハーバードシアターコレクション、ニューヨーク公共図書館、パフォーミングアーツ図書館(ニューヨーク)、アメリカ議会図書館において、資料の収集・調査を行なった結果1907年10月のBerkeley Lyceum Theatreにおけるニューヨーク公演のプログラムやThe Bystander、The Pacific Monthly 、The Theatre Magazine、The Scrap Book などの雑誌やSan Francisco Chronicle、Washington Post、Das Neue Drama、Je sais tout などの新聞に掲載された1907年の花子一座のアメリカ巡業に関する紹介文や劇評および写真を入手することができた。また1909年の花子2度目のニューヨーク公演に関する詳しい記事(Variety)も得ることができた。 以上の実地調査によって新たな資料を得ることができた意義は大きい。その分析により、花子が「skilful(多芸多才)な日本人 (俳優)」というイメージを公演先の国々で与えたという研究代表者の説は、より確かなものとなった。今回収集した資料を分析し公開することは、日本だけでなく海外の日本学者(Japonologist)にとっても益となるであろうため、当研究の成果は、2013年6月に開催される日本演劇学会で報告した後、英語論文としても発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)