2011 Fiscal Year Annual Research Report
分権改革が学校教育に与えた影響に関する実証的研究―少人数教育政策を事例に
Project/Area Number |
23830058
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
雪丸 武彦 長崎県立大学, 経済学部, 講師 (60614930)
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Keywords | 分権改革 / 教育政策 / 少人数教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、分権改革がもたらした学校教育へのインパクトを政策サイクルの観点に立ち、政策形成、実施、継続・終了段階それぞれに焦点をあてて包括的に明らかにすることにある。具体的には、福岡県及び同県内市町村を対象に、少人数教育政策の導入に関する要因分析を行う。分権改革は自治体の行動を制限していた規制を取り払い、政策選択の自由度を高めた。それではどのような条件を備えた自治体がそれを導入しているのか。そしてどのような効果があるのか。本研究は、分権改革が学校教育にもたらしたインパクトを実証的に明らかにするものである。 平成23年度はこの目的のために(1)少人数教育を実施している自治体の財政状況を調査し、(2)少人数教育政策を導入している福岡県内全自治体の議会の議事録やその他関連資料を収集し、政策導入のプロセスを明らかにした。 (1)については、財政比較分析表に記された各指標の数値を集め、導入自治体、非導入自治体間で比較をした。この結果、導入自治体の方が財政の健全度は高いことが判明し、政策選択の自由度は財政的な条件によって左右されていることが判明した。しかし導入自治体の中でも健全度の低い自治体が存在しており、なぜ導入しえたのか、別途調査の必要性があると考える。 (2)については、2000年代前半から革新政党を中心に少人数教育の必要性が指摘されていたがその影響は少なく、2000年代中ごろより新首長の誕生を契機に導入が進む自治体が一定数あることが判明した。一方、それらとは関係なく当該市町村近隣自治体の導入がきっかけとなった自治体もあることが判明した。もっともそれらとは関係ない自治体もあるため導入の力学について別途調査する必要性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
経費がいつから執行できるのかについて事務との間でうまく連絡がとれておらず、執行開始時期が遅れてしまい、研究計画通りの研究遂行(特に自治体への訪問調査)ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、前年度に収集できた資料をもとにして早期に自治体訪問調査及び学校訪問調査を実施する。その調査の中で、政策導入の類型化(モデル)が適合的か否かを確認する作業を合わせて行いたい。
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