2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザーイノベーションの発生・普及に対する企業行動の影響
Project/Area Number |
23830072
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
大沼 雅也 成蹊大学, 経済学部, 助教 (30609946)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 経営学 / 技術経営 / 経営戦略 / イノベーション / 普及 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ユーザー自らがイノベーションを起こし、それが企業によって製品化され、普及する背後のメカニズムについて、理論と実証(事例研究)の両面から探求することにある。こうした目的に沿って、本年度は大別して二つの研究成果を挙げることができた。具体的には、第一に企業の技術戦略に関する論文ならびに学会発表、第二にX線CTをはじめとした画像診断装置の普及に関する事例調査である。 第一の成果においては、本研究が注目するユーザーが製品開発を主導する製品に関して、その使用者が中心に行う学習行為や、それを開発し販売する企業の戦略的行動が、当該製品の普及においていかなる役割を担うのかが検討されている。より具体的には、既存製品と競合しうる新規製品の登場後に、それらが競合するのか異なる市場において棲み分けられるのかという新旧製品の関係性に対して、ユーザーの使用学習や普及過程で変化する採用者の属性の変化が大きな影響を与えることが議論された。また、そうした製品はユーザーの行動が技術開発の方向性に大きな影響を与えると考えられてきたけれども、他方で、企業の戦略的行動が強く影響する可能性もまた議論された。このような議論は、既存研究では十分に展開されてこなかったが、イノベーションという現象を理解する上でも、経営学として実務的な示唆を得るためにも重要であることから、こうした成果は高い価値を持つと指摘することができる。 第二の成果は、X線CTに関する普及データの収集・整理を進めることができたことにある。昨年度中に終えていた1980年代後半までのデータの収集・整理に続き、本年度は1990年代中頃までの作業を終えた。この作業を通じて、X線CTの普及過程をかなり詳細に分析することが可能になり、今後の研究の礎を築くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)