2012 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸塩ガラス電解質を用いた中温作動燃料電池の開発
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23850021
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鷲見 裕史 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究員 (80613257)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 燃料電池 / エネルギー効率化 / 無機工業化学 / 電気化学 |
Research Abstract |
①高プロトン伝導性電解質の最適化 昨年度は、ZnO-BaO-60 mol%P2O5系について、ガラス構造とプロトン導電率の相関を調べたが、10^-7 S/cm程度の導電率しか得られなかった。そこで、リン酸濃度を70 mol%まで増加させ、さらに合成温度の影響について調査した。1000℃で合成したZnO-70 mol%P2O5ガラスの導電率は、250℃で10^-6 S/cmオーダーであったが、800℃で合成すると導電率は2桁以上向上し、250℃で1×10^-3 S/cmに達した。ラマン分光や核磁気共鳴(NMR)によってガラス構造を解析したところ、非架橋酸素数が増加しているのを確認した。低温合成によってガラス内の残留水分が増加し、リン酸直鎖構造が短くなることによってプロトン濃度が向上したためであると考えられる。70 mol%P2O5では、Ba置換量の増加に伴って、プロトン導電率が低下した。Baは配位数が大きく、リン酸分岐構造が増えるため、プロトン濃度だけでなく移動度も低下することが明らかになった。 ②水素濃淡電池,燃料電池の評価 最も導電率が高かったZnO-70 mol%P2O5ガラス電解質において、電気化学測定を行った。20 %H2参照極に対して5~100 %H2ガスを作用極に供給しながら測定した起電力は、ネルンストの式に従って変化した。これは、ZnO-P2O5ガラス電解質のプロトン輸率がほぼ1であることを示している。Pt/C電極を用いて水素-酸素燃料電池を作製したところ、250℃で0.4 mW/cm2の出力を得ることに成功した。今後、電解質の薄膜化や高性能電極の開発を行うことにより、更なる性能向上が可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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