2011 Fiscal Year Annual Research Report
縫合織物とニードルパンチによる炭素繊維強化複合材料の最適な修繕方法の提案
Project/Area Number |
23860045
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
小武内 清貴 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (30614367)
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Keywords | 複合材料 / 熱可塑性樹脂 / 曲げ損傷 / 修繕 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである. (1)CFRTPの作製方法の確立と曲げ負荷による損傷挙動の確認 本年度は,CF/PA6プリプレグの作製方法を確立し,CFRTPの作製方法を確立した.本研究で作製したCFRTPは,熱硬化性樹脂を母材とするCFRPと同程度の曲げ強度を有する.作製したCF/PA6製CFRTPの曲げ試験を行い,曲げ負荷による損傷挙動を明らかにした.その結果,本研究で作製したCFRTPは曲げひずみ1.7%程度で一部層間の剥離が発生し,その後曲げひずみ5%程度まで負荷すると,圧縮側の層が局所的に座屈するような形態で大規模な層間剥離が発生,最終的に引張側の層が破断し,破壊に至ることがわかった. 以上より,本研究では曲げひずみ1.7%の負荷を与えた際の損傷を軽度の損傷,5%の負荷を与えた際の損傷を重度の損傷と定義した. (2)パッチ貼付による曲げ損傷後のCFRTPの修繕の実施と評価 前述したCF/PA6を使った修繕用パッチを作製した.作製したパッチを用い,軽度および重度の損傷を与えたCFRTPの修繕の実施と評価を行った.その結果,軽度の損傷であればパッチを用いた修繕でも,厚さ寸法の変化が8%程度で,未損傷材の強度および剛性と同程度まで修繕可能であった.一方,重度の損傷では,パッチを用いた場合,厚さ寸法の変化が20%となった. また,パッチを用いた修繕について,積層はり理論による予測モデルを提案した.提案した予測モデルを用いて,検討した結果,パッチによる寸法変化を小さくし十分な修繕を行うためには,A.パッチの剛性を現状より増加させる,B.損傷部位の剛性を回復させる,のが有効であることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニードルパンチによる修繕の着手にやや遅れが見られるものの,CFRTPの曲げ損傷挙動の把握と,修繕による曲げ剛性の予測モデルの確立が完了したことから,研究進捗はおおむね順調に進展していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究推進について,以下の通りに行う予定である. (1)ニードルパンチによる修繕の実施と評価を行う. 評価パラメータとして,ニードルパンチの回数や密度を変化させた場合の修繕効果について検討を行う. (2)CFRTPの曲げ損傷モデルの考案を行う. 昨年度考案した曲げ剛性予測モデルを拡張し,曲げ強度についても予測可能なモデルの考案を行う.
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Research Products
(5 results)