2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速気流条件における高性能プラズマアクチュエータ開発に関する研究
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23860077
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
高橋 裕介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (40611132)
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Keywords | プラズマ流 / 数値解析 / 熱化学非平衡 |
Research Abstract |
本研究では,プラズマ気流解析コードを整備した上で,アクチュエータ近傍での物理現象の定量的な調査を行い,高速気流の条件においても十分に流体制御が可能なDielectric Barrier Discharge(DBD)プラズマアクチュエータの開発を目的とする.その開発を行う上で,流れ場の定量的な調査が必要であると考えられるものの,アクチュエータ作動時に誘起されるプラズマ流の振る舞いについて,まだ完全な解明には至っていない.このような背景のもと,プラズマ流を正確に再現できるような数値解析コードの整備を行うことは意義がある. 本年度においては,平板上に設置されたDBDプラズマアクチュエータによって誘起される流れ場に対して数値解析モデルを提案し,その解析コードの開発を遂行した.放電場は,電場により電子温度が卓越した非平衡的な流れ場であることが予想されるため,熱化学的非平衡流に拡張したNavier-Stokes方程式とともに電場方程式解析を密に連成させることで,流れ場と放電場の相互作用を再現することが重要である.また,プラズマアクチュエータの放電メカニズムにおいて,陰極から生じる電子の振る舞いや電圧降下などの電極シースによる影響が無視できないと考えられる.特にプラズマ流解析モデルの精緻化を行う上で,その導入は有効であると考えられる.本年度において,プラズマ流解析モデルの開発に並行して,放電場におけるカソードシースモデルが提案された.これは,従来考慮されてきた二次電子放出に加え,強い電場によって電子の放出が促される電場電子放出も考慮するものである.また,平板上のDBDプラズマアクチュエータの振る舞いについてはこれまで豊富な実験結果が公開されており,数値解析結果と実験結果との比較を行うことで,モデルの検証と改善のサイクルを有効的に行なっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラズマ流解析コードの開発について予定よりやや遅れている状況であるが,これは当初に予想していた以上に対象の計算コストが大きく,解析モデルの検証を十分に行えなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
十分な計算資源を確保するとともに,平板上に設置されたDBDプラズマアクチュエータによって誘起される流れ場解析モデルを提案し,その解析コードの開発を継続する.まち平板上のDBDプラズマアクチュエータの振る舞いについてはこれまで様々な実験結果が公開されているので,数値解析結果とそれら実験結果との比較を行い,モデルの検証と改善のサイクルを効率的に行う. プラズマアクチュエータの高出力化を図る上で,電極デザイン(電極材料(銅や鉄,カーボン),電極間距離,電極の厚み)や電極のタイプ(テープ形状やメッシュ形状)の改善がキーになると考えられる.本研究で開発した解析コードを用いてパラメトリック的に数値予測を行い,高出力化に向けた道筋を見出す.
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Research Products
(1 results)