2012 Fiscal Year Annual Research Report
最期まで「自宅で療養したい」という思いを支える在宅ケア支援モデルの検討
Project/Area Number |
23890228
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
鮫島 輝美 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (60326303)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 在宅ケア / 終末期 / 自宅療養 / 支援モデル |
Research Abstract |
本研究の目的とは、「在宅でできるだけ長く療養し、死を迎えたい」と希望する患者や家族を支える支援の在り様について関係論的立場から、1つのモデルを提示することである。 平成24年度は、a)文献検討、b)インタビュー調査:医師1名、看護師1名、ヘルパー事業管理者1名、ヘルパー1名、c)フィールドワーク 訪問診療に計6回同行し、フィールドノートを作成し、認知症居宅介護研究所の勉強会に参加し、これまでの勉強会の記録の編集会議に4回参加した。それによって、以下のような視点が示唆された。 O医師が前提とする「医療」とは、病院とは異なり、高齢者は、複数の病気があるのが「当たり前」で、機能低下、治癒力の低下があり、完治しない慢性疾患が多く、あとは維持もしくは悪化・急変であると考えていた。O氏の〈医療〉では、個々の数値において、療養者にとっての生活上の「意味」が追求され、「残された人生を楽しく生きていく上での寿命に直接関わるか」という基準から、その「価値」が質的に評価されていた。また、O氏の健康観とは「楽しく過ごすこと」「安心して生活できること」であり、医療者が主導権を取るのではなく、支援することで、ともに寄り添い、「見守る関係」となっていた。 研究所の勉強会での記録を、療養者の状態、家族の状態、その時の関わり、介護保険における工夫、に分類した。そこから、その時々の療養者の状態に応じたヘルパーの対応が、家族介護者と療養者の間に、距離をつくり、少し離れたところから療養者を見ることを可能にし、状態に即した制度的対応によって、生活リズムが守られ、家族介護者と療養者の生活が崩壊することを防いでいた。 以上から、療養者と家族介護者を、在宅ケアにおける当事者として、同じ地平から支援することが、個別性の高い在宅ケアを可能にし、専門職の訪問が在宅を〈安心の場〉を変化させるトリガーとなっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)