2012 Fiscal Year Annual Research Report
メバロン酸代謝物による顎骨壊死誘発の予防効果の検討
Project/Area Number |
23890241
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
来海 慶一郎 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (30610977)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / ビスフォスフォネート製剤 / 顎骨壊死 / ゲラニルゲラニル酸 |
Research Abstract |
【目的】窒素含有ビスホスホネート製剤関連顎骨壊死(BRONJ)は、長期服用患者において特に抜歯等の外科処置後に創傷治癒不全による顎骨の露出が継続し、骨壊死がみられる疾患である。この発症機序に関しては、未だ統一的な見解がなく、対症療法を行っているのが現状である。近年、NBPは破骨細胞に対する骨吸収抑制以外にヒト口腔角化上皮細胞、骨芽細胞及び線維芽細胞の分化、生存や遊走能を抑制するとの報告がされている。この原因に関してはNBPによるプレニル化促進物質(ゲラニルゲラニル酸(GGOH)など)の減少が関与していることが示唆されている。従って、NBPによる破骨細胞分化や生存の抑制作用が骨リモデリングの障害を引き起こし、このことがBRONJ発症の一要因になっているのではないかと推測した。本研究では、マウス破骨細胞分化過程に対するNBPとプレニル化促進物質の効果をゾレドロ酸とGGOHを用い検討した。 【方法】マウス骨髄細胞から破骨細胞前駆細胞を誘導し、その後RANKL存在下でゾレドロン酸およびGGOHを加え4日間培養を行った。破骨細胞の形態観察のためにTRAP染色、発現の解析にはRT—PCR法とWestern bolt法を用いた。 【結果と考察】ゾレドロン酸はRANKL誘導性の分化関連分子であるTRAP、細胞融合分子であるDC-STAMP及びOC-STAMPの発現を抑制し、TRAP陽性多核の破骨細胞分化を濃度依存的に阻害した。しかし、GGOH共存下ではTRAP、DC-STAMPおよびOC-STAMPの発現の回復と同時にTRAP陽性破骨細胞の出現を認めた。以上より、NBPは破骨細胞の細胞融合および多核化の抑制に関与していることが示唆され、プレニル化促進物質はNBPによる破骨細胞分化阻害を部分的に回復させると考えられた。この作用はBRONJ発症の予防作用の一助となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)