2011 Fiscal Year Annual Research Report
科学的知識を活用する観察・実験活動が高校生のメタ認知活動と言語活動に及ぼす効果
Project/Area Number |
23907012
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Research Institution | 高知県立高知西高等学校 |
Principal Investigator |
草場 実 高知県立高知西高等学校, 教員
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Keywords | 観察・実験 / メタ認知 / 言語活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高等学校理科において、学習した科学的知識を活用して、主体的・協同的に課題を解決するための手段として位置づけた観察・実験活動が、高校生のメタ認知を活性化し、言語活動を充実させることを実践的に実証することであった。まず、化学I「物質の変化」の中の小単元「酸と塩基」における「中和反応と量的関係」を事例として、高校生が学習した科学的知識を活用して、課題を解決するための観察・実験活動をデザインした。そして、公立高等学校の高校2年生を対象とし、処遇群(39名)には科学的知識を活用する観察・実験活動を、一方、対照群(40名)は、化学反応式における係数比が物質量比と同じになることを演繹的に検証するための観察・実験活動を行った。なお、生徒のメタ認知の活性化の測定には、発話事例と記述事例、およびメタ認知尺度を用いて質的・量的に検討した。一方、言語活動の測定には自己質問生成を用いて量的に分析した。ここで、本研究における自己質問とは、生徒自身が授業内容に関する質問と、それに対する解答を作成するというものである。また、自己質問は質問のタイプによって、タイプA(学習の理解に関する自己質問)、タイプB(学習の構造化に関する自己質問)、タイプC(学習の活用に関する自己質問)にカテゴリー化し、自己質問は理解のレベルによって得点化した(タイプAは1点、タイプBは2点、タイプCは3点)。両群のメタ認知活動、および言語活動について比較検討した結果、処遇群は、対照群より、メタ認知が活性化され、さらに言語活動が充実された。このような結果を得られた理由は、科学的知識を活用した観察・実験活動では、高校生は他者との関わりの中で、課題解決のための仮説の設定や実験方法を計画することが必要となり、その結果、メタ認知を活性化させながら学習の言語化が行われ、言語活動の活性化へとつながったと考えた。
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Research Products
(1 results)