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2011 Fiscal Year Annual Research Report

算数の授業における数学的知識の構成過程と子どもの抱く納得の心情とのかかわり

Research Project

Project/Area Number 23909005
Research InstitutionJoetsu University of Education

Principal Investigator

磯野 正人  上越教育大学, 附属小学校, 教員

Keywords算数 / 数学的な知識の構成 / 納得
Research Abstract

○研究の概要
算数科の授業において、子どもは「わかった」と納得することで、数学的な知識を構成し、活用していくのではないかと考えた。そこで、次の三点について授業を工夫し、一年間継続した。(1)デジタル教科書などを用いる。(2)自分の考えをカードに書きため蓄積する。(3)計算ドリルなどを用いて計算力を高める。この3つを継続しながら、子どもの姿を観察することで分かってきたことを報告する。
【デジタル教科書などを用いる】
デジタル教科書、自作のプレゼンテーションを用いて1年間、授業を行った。デジタル教科書を用いることで、授業への集中力が高まった。理由は次の3点であると考える。(1)机の上の教科書がなくなることである。特に特別な支援が必要な子どもにとって、ものが一つでも減ることは集中力を高めることに有効であった。(2)画面を見ていない子どもを即座に把握しき、指導できたからである。(3)画面へ書き込みながら説明ができるため、子どもは視線の移動が少なくてすむ。
子どもは、IT機器を用いることでは「わかった」という心情を見せなかった。しかし、授業への集中力が高まることで、学習の内容をよく理解するようになった。
【自分の考えをカードに書きため蓄積する】
学習の区切りがよい場面で、子どもが授業を通して分かったこと書き留めておく「算数アイディアカード」を作成した。5cm×9cmのほどの大きさで、表には日付と授業を通して分かった算数のアイディアの名前を書き、裏にはその説明を書く。書きためていくことで、子どもは自分が分からない問題に出会ったとき、このカードを活用するようになった。そしていくつかのアイディアをつなげて新しいアイディアをつくる場面が見られた。さらに書きためたものを、数と計算や図形などに分類することで、自分のアイディアのつながりを考えていた。見付けたアイディアをつないだり、仲間のアイディアと共通点を見付けたりする場面では、「わかった」という声が多く聞かれた。また、見付けた新しいアイディアを他の場面に活用する様子も見られた。
【計算ドリルなどを用いて計算力を高める】
上記2つの取組だけでは、「わかった」という心情が生まれない子どもがいた。計算を苦手とする子どもである。いくらアイディアをつないで「わかった」という発言をしても、他の場面に活用することができない。そこで、計算練習に取り組んだ。計算力がつくにつれて、見付けたアイディアを活用しようとする意欲は生まれたが、成果として報告できるまでの取組にはならなかった。さらに継続することが大切であると考える。
【研究の成果】
「わかった」という心情とともに数学的知識を構成することで、子どもは、その知識を他の場面に活用することができた。また、知識を活用できる子どもの数も、いわゆる教え込みの授業をしているときに比べて格段に多かった。自ら使える知識を把握しながら、その知識を組み合わせて新しい知識をつくる。こうした過程が「わかった」という心情を強くさせ、また数学的知識を活用していく姿へと結ばれていくことが分かった。

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Published: 2013-06-25  

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