2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域の特性を生かし,実感を伴ったエネルギー教育プログラムの開発
Project/Area Number |
23909006
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Research Institution | つくば市立谷田部中学校 |
Principal Investigator |
板橋 夏樹 つくば市立谷田部中学校, 公立中学校教諭
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Keywords | エネルギー概念 / 米国のエネルギー教育 |
Research Abstract |
○研究目的: 米国の小中学校段階の理科教科書におけるエネルギー概念の教授法とつくば市の地域特性を生かしたエネルギー教育プログラムを開発,試行する。さらに,プレ・ポストテストを実施し,本プログラムの有効性を検証することを目的とする。 ○研究方法: ・生徒のエネルギー概念の理解に関するアンケート調査を行う。 ・中学校3年生を対象に,第1分野の単元「運動とエネルギー」における学習プログラムを開発し,試行授業を行う。 ・実施した授業の評価を行い,生徒のエネルギーに対する認識の変化とその有効性を検証する。 ○研究成果: (1)米国の教科書分析を通したエネルギー概念教授の特質について 米国では,小学校低学年からエネルギー概念を導入している。米国の小学校の教科書と教師用指導書を事例に,エネルギー概念を小学校段階でどのように導入しているのかを分析した。その結果,以下のことが明らかになった。(1)これらの教科書では,全米科学教育スタンダードや各州のスタンダード等に基づき,児童が直観的に理解できる光,熱,音等を題材としたエネルギー概念及び定義を低学年から導入している。(2)エネルギーの定義エネルギー保存,形態,移動の概念,及び,位置エネルギーや運動エネルギーの概念は,第3学年以上の各学年で繰り返して取り扱われている。 (2)上記の知見を基に,中学3年生を対象に理科授業における学習プログラムを開発し試行授業を行った。米国のような光,熱,音等のエネルギー概念を導入した後に教科書にある位置・運動エネルギーを学習するクラスと,位置・運動エネルギーを学習した後にエネルギー全般を学習する通常通りのクラスに分け授業を行った。この結果,前者のクラスの生徒の方が,エネルギー全体に対する理解の深まりが大きく,その有効性が明らかになった。
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Research Products
(1 results)