2011 Fiscal Year Annual Research Report
自然体験を積み重ね科学が好きになる子を育成する年長児保育プログラムの開発
Project/Area Number |
23909012
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岡村 廣 山形大学, 附属幼稚園, 園長/教員
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Keywords | 科学が好きになる子の育成のポイント / 幼小連携と年長児保育プログラムの開発 / 意図的環境構成のポイント |
Research Abstract |
本研究の目的は、「自然体験を積み重ね科学が好きになる子を育成する年長児保育プログラムの開発」である。そのために、「科学が好きになる子」の具体的な姿を、(1)自然に親しみ、驚き・感動する子(2)生き物に親しみ、いのちを大切にする子(3)仲間と協力し、遊びを創造する子の3つと捉えた。そして、その育成に向けての仕組みを追究し、「生活科」を中心に小学校へのスムーズな接続も考えての年長児保育プログラムの開発を行ってきた。 成果として、次の3つがあげられる。一つは、「科学が好きになる子」の育成のためには、次の3つが有効であることが分かったこと。(1)自然に親しみ、驚き・感動する子の育成のためには、自然のおもしろさ・偉大さを子どもに十分に感じさせる活動を行うこと、(2)生き物に親しみ、いのちを大切にする子の育成のためには、経験の積み重ねを大切にした活動と援助を行うこと、(3)仲間と協力し、遊びを創造する子の育成のためには、意図的な環境構成を行うことである。二つには、保育者の「ちょっとした手立て(気づき)」が、園庭環境の構成だけでなく、他の自然物のよさを引き出し、遊びを生みだすためにも重要なポイントであることが分かった。三つには、年長児保育プログラムとして、「うさぎ」「サスケをつくろう」「いのちはみな同じだよ」等を開発することができた。 更に、上記の成果は、幼小の連携をスムーズに行ううえでも重要なことであるが、理科教育の一層の充実を目指し、幼稚園から高等学校までを見通した教育の重要性が言われている中、子どもの自然科学に対する萌芽期の理科教育に着目した点からも有意義な成果になった。
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