2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA解析を題材に科学の世界を身近に体験できる教育プログラムの開発
Project/Area Number |
23909054
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮部 麻耶子 熊本大学, 工学部, 技術職員
|
Keywords | DNA / 科学教育 / 地域貢献 |
Research Abstract |
初・中等教育の実験は科学的興味を引き出し、論理的思考力をつけさせる上で重要です。 しかし、初・中等教育では時間がかかる実験は実施しにくいこと、教員が必ずしも科学のエキスパートではないこと、そして器具不足であること等の理由により実験を十分に行える環境が整っていません。このような問題を考慮し、科学研究者・技術者の人材の増加を目的に、中学生対象の研究を行いました。 本研究では、科学を身近に感じさせることと発展的内容であることに重点を置きました。そこで、日常よく耳にしますが初・中等教育の中で殆ど触れられることがないという点で最も興味を引く科学分野の一つであり、発展的・時事的内容を含む「DNA」を題材に実験を行いました。実験内容は、以下の通りです。 1、生活用品での植物と実験者本人(本人の同意確認済み)のDNA抽出 2、植物DNAを用いて、品種間で異なるDNA配列部分のPCR増幅および電気泳動 3、折り紙でのDNAモデリング 実験前は大半の生徒がDNA抽出は難しいと考えていたようですが、身近なもので単純な作業によりDNA抽出できたため、実験後全ての生徒が簡単だったと言いました。また、折り紙を使ったDNAモデリングでは、構造を楽しみながら確認できました。これは大変好評で、科学を身近に感じさせるのに役立ったと感じています。PCR増幅や電気泳動の原理は難しいと感じる生徒もいましたが、DNAに個体差があることを学べ、品種の偽装解明や犯罪捜査等発展的・時事的内容に触れられたという点で意義ある内容だったと感じています。実験後、殆どの生徒が実験前より科学への興味が湧き、将来の職業選択の視野に入れたいと答えました。 このように初・中等教育では扱えない科学の先端的・時事的内容に触れたことで、生徒の科学への不安を払拭し、興味を引き出せた点で評価に値する活動だったと考えています。 今後もこのような活動を続けるため、より良い内容を模索し続けたいと考えています。
|
Research Products
(1 results)