2011 Fiscal Year Annual Research Report
主体者として「生活する力」を育てる知的障害特別支援学校の教育プログラム開発
Project/Area Number |
23911017
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
別府 さおり 筑波大学, 附属大塚特別支援学校, 教諭
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Keywords | 知的障害教育 / 生活する力 / 生活の主体者 |
Research Abstract |
1.研究目的知的障害特別支援学校において、生活に関する知識・技能の向上とともに、主体的に生きる力を育むための、より生活文脈に沿った質の高い教育を展開し、生活の主体者としての意識を育み生活する力を高めるための教育プログラムを開発することが目的であった。 2.研究方法(1)勤務校高等部在籍生徒8名を対象とし、ケアホームおよび施設入所支援にて宿泊を伴う生活体験実習を行った。実習後、対象生徒および保護者に対しインタビュー調査を行った。また、生活体験実習を2回経験した生徒1名(以下、生徒A)を対象とし、事例検討を行った。(2)洗濯の授業および日常生活の指導を通して、使用済みのハンカチの観察記録、白衣の洗濯(洗う~畳んでしまうという一連の過程を自分で行う)に取り組んだ。(3)前述の(1)(2)を総括し、本人、保護者、担任の三者面談にて、家庭および学校で取り組む生活技能、生活の流れの改善点を協議した。また、本校高等部のカリキュラムの具体的内容および指導方法を再構成した。 3.研究成果(1)生活体験実習は、親離れ、子離れの機会であること、生活体験実習を複数回経験することで、自立した生活に向けての本人の意欲や見通し、知識、技能をより高められ、また保護者は本人主体の生活を大切にできるようになることが示された。(2)生徒はカビが生えたことに驚き、家庭でも自発的に洗濯をしようとする生徒が増えた。(3)生活体験実習および学校と家庭での取り組みを連環させることができ、三者面談の成果が示された。また、在学中から、自宅外での生活を経験する意義が改めて明らかになった。さらに、学校教育において、生活に関する学習を一連の意味のある流れの中で行うことが、家庭や生活の場でも活用できる「生活する力」を育てることにつながることが確認された。
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Research Products
(1 results)