2011 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害特別支援学校新規採用教員の職務に対する意識変容に関する質的研究
Project/Area Number |
23911018
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Research Institution | 神奈川県立みどり養護学校 |
Principal Investigator |
細木 俊明 神奈川県立みどり養護学校, 教員
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Keywords | 初任者研修 / 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ / 知的障害特別支援学校 |
Research Abstract |
○研究目的 特別支援教育未経験者の採用と在籍児童生徒数の増加という固有状況を抱える知的障害特別支援学校において教員生活を始めることになった初任者の職務意識が、初任者研修を中心とした1年間の教員生活を通じどのように変容していくのか、その特徴を掴むことである。 ○研究方法 公立知的障害特別支援学校の小学部、中学部、高等部に新規採用された教諭15名を研究対象者とし、冒頭質問を「今学期の授業実践や研修を振り返り、印象に残っていることを具体的エピソードとともにお話し下さい」とした半構造化面接を各学期終了後に年間3回ずつ実施した。そして、録音した口述内容を逐語化した後、グレイザーとシュトラウスによって提唱されたグラウンデッド・セオリー・アプローチ(Grounded Theory Approach)を木下康仁が修正した分析手法であり、研究対象がプロセス的特性を持つヒューマンサービス領域の場合に適していると言われている、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(Modified Grounded Theory Approach)により分析した。 ○研究成果 3月末のデータ収集と分析を待つ時点であるが、次の5点が知的障害特別支援学校新規採用教員の職務意識変容として予測される。すなわち、(1)初任者の多くが慢性的な多忙意識を持っている一方で、校内指導教員や身近な同僚から適切な指導や支援を受けていないと感じている、(2)会話等による意思疎通に停滞感を持っており、児童生徒とのコミュニケーションに課題を感じている、(3)1対1で担当する個別課題学習場面の指導に悩みを感じている一方で、成功感を持てるとその後の意欲につながっている、(4)現在より教師として成長した姿を思い描いており、その実現の可能性を高く持っている、(5)初任者研修で位置づけられた年間2回の公開研究授業への取り組みと事後検討会での指導助言が自己効力感の高まる機会となっている、ことである。
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