2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23914008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八幡 和志 東京大学, 理学系研究科, 技術専門職員
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Keywords | 教材開発 / デジタル回路 / FPGA |
Research Abstract |
本研究では、学部3年次の実験授業に向けた、FPGAを使った教材の開発を行った。これは、従来の標準ロジックICによるデジタル回路の授業のアップデートで、最近の研究現場で使われているFPGAを導入することを目的とする。 まず、FPGAのメーカー、機種、開発環境のベンチマークの上、Xilinx社のSpartan-3を、開発環境としてISEを、開発言語としてVerilog HDLを選定した。 次に、物理学の実験教育としての在り方を検討した。この結果、自分で原理を考えながら回路を組立て、配線ミスなどのトラブルを切り分けるトレーニングを行わせることも重要と判断し、従来のICによる授業も残すこととした。また、多く市販されているFPGAや入出力回路が一体化された教育用ボードではなく、Spartan-3とJTAG、電源、クロックのみのボードと、ブレッドボード、LEDやスイッチ等、ディスクリートな部品で回路教材とした。 また、従来の授業では、オシロスコープで波形観測、タイミング解析を行わせている。一方、ロジックアナライザーは、信号波形ではなく、サンプリングしたタイミングのロジックレベルのみを示すので、両者の特性を併せ持つミックスドシグナルオシロスコープを測定装置とした。 これらと開発環境のISE上でVerilog HDLにてAND回路を作成し、FPGAに転送、入出力回路を配線して動作確認するチュートリアルと、簡易なVerilog HDLの言語マニュアルを作成して試作教材とした。 この試作教材で5人の学部3年生で、従来の実験授業の最後の課題2つ、リングカウンターとストップウォッチ回路をFPGAで置き換える予備実験を行った。その結果、想定していなかったFPGAの原理回路や単位回路などの説明に時間がかかり、チュートリアルを終わらせるだけで2~2.5時間要し、リングカウンターの課題が終わった段階で授業時間が終了した。 さらに、将来にわたって教材を供給するために、Spartan-6での互換性を検証した。 今後は、デモンストレーションを追加するなど、さらなる教材開発を行ったうえで授業に導入したい。
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Research Products
(3 results)