2011 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属の少量化を目指したバイオエタノール水蒸気改質反応用新規触媒調製法の開発
Project/Area Number |
23915007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 伸一 筑波大学, 数理物質科学等技術室, 技術専門官
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Keywords | エタノール水蒸気改質反応 / 強い金属・酸化物相互作用(SMOI) / 水素製造 |
Research Abstract |
二酸化ケイ素を担体とした白金触媒(Pt/SiO_2)を調製し、これを用いてエタノールの水蒸気改質反応を行った。バイオエタノールの利用を目指して、モデル反応液として14wt%のエタノール水溶液を用いた。白金の担持率は従来(2wt%)の1/16の0.125wt%と大幅に減少し、これに酸化ニオブを添加した触媒はエタノールの水蒸気改質反応に高活性を示した。反応生成物の一つである水素の生成速度は、酸化ニオブを添加しない担持率2wt%の白金触媒に匹敵することがわかった。触媒の調製法を検討した結果、白金と酸化ニオブを担持する順番や乾燥・焼成処理の順番を変えても、エタノール転化率や水素生成速度については大きな違いは見られず、いずれの触媒も酸化ニオブを添加することで活性は著しく増大した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察の結果、酸化ニオブを添加しないPt/SiO_2触媒の白金粒子径はおよそ2nmで分散度は0.58であった。一方、酸化ニオブを添加した触媒は白金粒子径が7-9nmと大きくなり、分散度は0.13-0.16に低下した。水素吸着量、一酸化炭素吸着量の測定から求めた白金の分散度は、TEM観察の結果に近いもので、この結果からただちに白金と酸化ニオブが相互作用しているとは言えないが、エタノールの水蒸気改質反応の結果はあきらかに白金と酸化ニオブとの強い相互作用が働いていることを示している。以前に行った研究(白金が2wt%)から、添加する酸化物はニオブ酸化物以外でも、エタノールの水蒸気改質反応に効果があることから、貴金属触媒の省資源化・低コスト化に役立つ結果が得られた。本研究の成果については、今後、触媒討論会あるいは日本化学会年会で発表を計画している。
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Research Products
(4 results)