2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23916004
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Research Institution | 春日部女子高等学校 |
Principal Investigator |
鈴木 文二 春日部女子高等学校, 教員
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Keywords | 中間赤外線 / FITS画像 / 地球惑星科学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、汎用の二次元放射温度計を用いて8-16μmの波長域の画像を取得し、それをFITS画像形式に変換することで、計測実習を可能にすることである。 温度計のセンサーは8×8ピクセルで、視野は50°程度である。積乱雲の時間変化や地面・建物の熱伝導の演示には効果がある。また、岩石・鉱物の加熱実験では表層の温度変化がきわめてわかりやすい。ところが、単体の放射温度計で測定可能である月の観測ができない。1ピクセルあたりの視野が広いために、天体の撮像には感度不足で不向きである。温度計の仕様として、可視光画像と中間赤外線画像をオーバーラップさせてJPEG画像の出力も可能であるが、プレゼンテーション用として使用できる程度のものである。データ出力は、CFカードにいったん記録されるタイプで、時間分解能を上げるには限度がある。撮像コントロールがパソコンを用いてできるようになれば、観測可能な対象が広がると思われる。 温度計からの出力はテキストデータであり、表計算ソフトのシート間演算でも画像演算は可能である。データをバイナリー変換すると、64ピクセル程度の画素では、FITSのヘッダーサイズのほうが大きい。しかしながら、天体観測用の画像処理ソフトで、演算結果を表示させながら処理できるメリットは大きいと思われる。 正確な画像計測をするためには、ピクセル毎の感度補正、暗電流ノイズ補正が必要であるが、中間赤外線の領域で安定した標準的な面光源を用意することは難しい。ただし、1℃程度の精度であれば、パソコン用の液晶モニタで代用できることがわかった。
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Research Products
(5 results)