2011 Fiscal Year Annual Research Report
気象データ収集および局地気象現象表示システムの開発
Project/Area Number |
23916010
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Research Institution | 大阪市立科学館 |
Principal Investigator |
江越 航 大阪市立科学館, 学芸員
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Keywords | 全天雲画像 / 気象観測データ / Webカメラ |
Research Abstract |
本研究では、科学館における局地的な気象状況の観測結果を中心に特徴的な気象現象をピックアップして、メソスケール(水平スケールが2km~2000km)の大気の状態を比較することで、気象状況を大気の立体構造を通して理解できるような展示のための気象データ収集システム、およびデータ加工方法を構築することを目的とした。そのために、本年度は次の項目について実施した。 ・全天雲画像の収集・表示 屋内の展示ではリアルタイムで空の様子を知ることができない。そこでWebカメラと魚眼レンズを組み合わせることで、屋内において空全体の雲画像を表示し、一目で現在の天気状況が分かるようにするシステムを構築した。Webカメラについては屋外に設置することになることから、防水のため覆いを作成し、データ収集用PCまではLANケーブルを用いることで、データ取得と同時にカメラに電源を供給するようにした。 この雲画像データは定期的に収集することで、一前線通過に伴う天気の変化等を収集可能になった。ただし解像度が十分でないことから、現状では細かい雲の違いまでは判別することはできない。 ・特徴的な気象データの収集 空の状態と合わせて特徴的な気象現象を捉えることができるように、気象データについても収集するようにした。データの収集はワイヤレスデータロガを用いることで、温度・湿度・気圧を収集している。雨量、風向・風速についてのデータ収集については今後の課題である。現在のところ特筆すべき気象データを捉えていないが、長期に渡って収集を続けることで可能になると考えている。 さらに今後、雲断面図の作成ソフトを開発する予定にしている。これらの組み合わせにより、科学館における気象状況が大気全体としてどのような状態から生じているのか、大きな視点で理解できるようになると期待している。
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