2011 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ切断による傾斜断面を用いて組み合わせた新しいアクリル表示板の開発
Project/Area Number |
23917033
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
湯田 雅紀 木更津工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門職員
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Keywords | レーザ / 傾斜断面 / サイン |
Research Abstract |
研究目的 アクリル板の切断面に一定の傾斜をつけて組み合わせる手法を確立し、新たな表示板等の製造方法を開発する。 研究方法 炭酸ガスレーザ加工機にて、レーザの焦点位置をあえて適正値からずらして加工することで傾斜をつける。焦点位置と各諸条件を変化させ、その切断面形状をマイクロスコープにて観察する。板表面からの深さごとにその形状を統計し、最適な切断条件を確立する。その条件をベースとして切断した様々な形状の部材を実際に組合せ、実用化に向けた調整を行なう。 研究成果 焦点位置が表面から0±2mmの範囲では、切断面はほぼ垂直となった。±3mm位から傾斜が進む傾向がみられた。傾斜方向は焦点位置が+・-の両方とも予想に反して同一になったが、+側の方が、傾斜角の変化が明瞭で、形状のばらつきが少ないため安定していた。焦点位置以外の諸条件については、通常の条件値で十分安定した結果が出ることが判った。また切断した部材をはめ合わせる際には、オス・メスの傾斜方向を逆にすることと、丁度良いはめあいにするために大きさの微調整が必要になる。それに対しては、NCのプログラム上でミラー機能と径補正機能を用い対応できた。 さらに実用化に向けた取り組みとして、まず身近なところでのこの手法の利用価値を探るために、受付用のプレートやコースター、表札、部屋名やトイレのサインなどを製作した。無色透明なベース板と色付の透明文字を組み合わせたものは、それぞれの断面は美しいが組み合わせるとその美しさが双殺してしまった。しかしガラス色のベースにピンクや黄色の島を模った形を組み合わせることで、あたかも島が水に浮かんでいる様に見える涼しげなコースターが出来上がった。また厚さの違う板同士を組み合わせることにより凹凸が生じ、手で直に触れても楽しいサインが出来上がった。
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