2011 Fiscal Year Annual Research Report
「電界・磁界」の可視化教材の製作と、大学での導入教育への応用に関する研究
Project/Area Number |
23918007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 等 大阪大学, 大学院・工学研究科, 技術専門職員
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Keywords | 電気物理 / 電磁気の可視化 / 導入教育 |
Research Abstract |
理科離れが言われて久しい。しかも中学・高等学校では「ゆとり教育」の名のもと理科の基本である観察や実験が削減されてきた。この結果、電気系においては電磁気学の修得が必要不可欠であるにもかかわらず、電磁気現象の体験が不十分なため、理論をイメージ化できる学生が少なくなっており、教科書の中だけの世界と考える学生も増えている。 このような状況を改善し、高校教育から大学の専門教育への導入的教科の果たす役割が重要となり、座学中心の講義の中に演示実験を取り入れたりという様々な工夫が試みられている。 申請者はかねてより、電磁気の可視化教材の開発に取り組むとともに、その実践として22年度より本学大学教育実践センターの新型授業として「電気物理学」の講義の中に展開してきた。その内容と成果は備考欄のURLを見ていただければ理解していただけると思う。演示実験は、銅板の上に音を立てずに着地する磁石を観察したり、簡単なモーターがローレンツ力だけで回転したりするものである。単なる「面白い教材」ではなく、「なぜ?」という疑問を持つとともに「知りたい」という知的欲求をベースに授業展開につなげることを主とした教材である。実践を通して、電場や磁場の概念の理解を助け電磁気分野の導入教育に有用であることを確かめることができた。特徴的な感想は「教科書の中だけの世界と思っていたものが現実に現れた」というものであった。さらに、このような演示実験をとおして知的好奇心をかき立てるだけでなく、日常の様々な機器に応用されでいることを知るとともに、基礎物理にも目を向ける試みである。 このような実験プログラムは高校生を対象としたオープンキャンパス(2011.8.10)や、本学湯川記念室主催のSaturday Afternoon Physics 2011(2011.10.15)でも行い、さらに工学研究科と連携協力協定を結んでいる高知県佐川町の小学校(2011.9.6-7)で,そして理科を楽しく教えられるようにと「小中学校の先生を対象にした理科教室」(2011.7.23電気学会関西支部主催)でも行い、子ども達から大人まで電磁気を身近のものとして認識でき、教育効果が非常に高いものであることを確認した。このような実践が理科教育の現場で広く取り入れられることを期待するものである.
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Research Products
(8 results)