2011 Fiscal Year Annual Research Report
物理吸着における分子間相互作用解析としてのQCMシステム最適化
Project/Area Number |
23921007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒岩 真弓 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 技術専門職員
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Keywords | QCM / 分子間相互作用解析 / 抗原抗体反応 |
Research Abstract |
○研究目的: 近年、医療や生命科学の分野ではリアルタイムの生体分子間相互作用解析が必要となってきた。その相互作用を理解するためには、結合の度合いや持続性などを知ることが重要である。生体分子間相互作用解析においては、まず、センサへのサンプルの固定化が重要である。SPR(Surface Plasmon Resonance:表面プラズモン共鳴)をはじめ化学吸着での研究は進んで確立しつつあるが、比較的扱いが簡単だと思われる物理吸着による方法では測定値の安定性という点ではいまだ問題が多い。そこで、本研究では物理吸着における問題点を明らかにすることにより、QCM(Quartz Crystal Microbalance)測定における高感度化、取扱易さを目指すこととした。その基礎的な部分として、物理吸着によってサンプルをセンサに固定化させ、物理吸着現象に影響を与えると考えられるいくつかの点を検討した。 ○研究方法: 温度一定、バッファー流速一定の条件のもと、いくつかの抗原抗体反応について発振型QCMによる測定を行い、センサ表面のコーティング状態、送液バッファー、ブロッキング剤の種類・pH等についての影響を検討した。共振型QCMについては、溶液中におけるセンサの共振周波数等の測定方法の最適化について検討した。 ○研究成果: QCM測定において、物理吸着における抗原抗体反応のセンサ表面状態、送液バッファー・ブロッキング剤の種類・pH等の影響は非常に大きいことが示唆された。このことは、抗原抗体反応に用いる物理的条件の検討にも役立つのみならず、タンパク質の吸着性の検討についてQCM測定が有効な手段となりうることも示唆された。
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Research Products
(1 results)