2011 Fiscal Year Annual Research Report
低炭素社会に向けた植物のガス交換・熱環境の解析とESD研究
Project/Area Number |
23922001
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Research Institution | 板橋区立中台中学校 |
Principal Investigator |
中里 直 板橋区立中台中学校, 主任教諭
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Keywords | 植物の空調効果 / 熱環境 / ESD |
Research Abstract |
植物の空調効果は主に熱エネルギーの制御とガス交換の2つである。これらを閉鎖空間内と野外で調べた。閉鎖空間内のポトス有無による温度調節効果を光強度の違いで調べた。光強度を大きくすると、昼間の冷房効果と夜間の保温効果が増加した。野外にイネのある小型水田とない小型水田を置き、温度の測定点を垂直方向に水田の上空・上部・下部・水温・地温の5点とり、水田の温度調飾効果の垂直分布を調べた。この結果、高さが低くなるにつれて昼間の冷房効果と夜間の保温効果が増加した。また、ノアサガオのある緑のカーテンとない緑のカーテンの温度を6月から2月まで測定し、緑のカーテンの有無による温度調節効果を解析した。その結果、昼間の冷房効果は冬に減少し、夜間の保温効果は冬に増加する傾向が見られた。ポトス・イネ・ノアサガオのポットを10・16・23・30・35℃に設定した恒温器に1時間置いた後、熱画像を撮影した。植物体・ポット・地温の温度を比較すると3つの植物の全ての設定温度で地温が最も低く、土壌に含まれる水の影響が考えられた。太陽光を照射した閉鎖空間内にあるポトスとノアサガオ、野外の小型水田とノアサガオ緑のカーテンの植物有無における二酸化炭素および酸素濃度の日変化を測定した。いずれの場合でも昼間は植物の存在により、二酸化炭素の減少と酸素濃度の増加が見られた。今後の詳しい分析が必要である。これらの研究を、植物機能を利用したESDカリキュラム開発に応用した。中学3年理科「自然と人間」の単元で植物のガス交換を取り入れ、身近な二酸化炭素濃度を定量して理解できる授業実践を試みた。授業では光を照射したノアサガオを置いた閉鎖空間内の二酸化炭素濃度測定、理科室内の二酸化炭素濃度変化の測定、白熱電球、LED電球と理科室内の使用電力量による二酸化炭素排出量の計算を行った。今後は授業の課題を解決し、生徒が理解を深める授業内容に改善していく。
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Research Products
(3 results)