2011 Fiscal Year Annual Research Report
工学と芸術の学際的研究による飛行する映像芸術の開発
Project/Area Number |
23922011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
林 剛人丸 筑波大学, 体育芸術系支援室, 技術専門職員
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Keywords | 飛行船 / 映像装置 / 芸術と工学 |
Research Abstract |
本研究は飛行船を立体的な映像ディスプレイとしてデザインし、リモートコントロール制御を可能にすることで、空間を自由移動する芸術表現の媒体として作用させようとする工学と芸術の学際的研究である。 飛行船のエンベロープ部(気嚢:疑似楕円体の船体の膜)全面に、ゴンドラ部(エンベロープ下部に接合されている箱)に内蔵するプロジェクターから曲面鏡を経由して画像を反射投影する設計となっている。全長およそ6メートルのエンベロープにヘリウムガスを充填することで浮力を獲得し、映像を投影した状態の船体を空中に浮かべる。本研究では、直流モーターを動力とし、これをリモートコントロール下で飛行させることを可能とした。 風雨などの気象条件にされない安定した屋内環境での移動・制御を目標としていたが、この点についてはじゅうぶんに達成できたと考える。動力制御が可能になってことで、3次元空間を自由に移動する表現媒体として作用させることができる。例えばプラネタリウムの上映空間に青空の映像を投影した飛行船を飛行させプラネタリウムのプログラムと連動する表現や、自然光の入らない地下採石場などの空間に青空を持ち込んで飛行させるなどの表現が可能になる。 一方で舵が鈍く、一般的な体育館程度の空間で移動展示させるには旋回や上昇・下降の能力を向上させなければ理想的な効果が得られない。また、モーターの駆動音やプロペラの回転音レベルが大きく、鑑賞する環境を損なう恐れがあることも判明した。鑑賞に堪えうる騒音レベルに引き下げる改良が必要と考えられる。今後、改良に向けて研究を継続したい。
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