2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23922013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤澤 政則 東北大学, 工学部・工学研究科, 技術専門職員
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Keywords | イオン源 / 可視化 / 硼化ランタン |
Research Abstract |
2007年、改修のため取り外したイオン源を再整備した後、プラズマの状態をガラス越しに見えるイオン源可視化装置を開発した。これによってイオン源の制御値とその挙動の関係を視覚的に観察することができたが、再現性や操作性が悪く幾つかの改良を余儀なくされていた。研究はプラズマの再現性を重視した改良を行ったので報告する。 1.エージング時間の短縮 イオン源可視化装置の稼働時期が不定期なため、通常は真空排気装置を停止させている。この状態において酸化バリウムを使用したフィラメント(以下:旧フィラメント)は不純物や水分を吸い込むことで、プラズマ発生まで2日程のエージング時間を要していた。問題を解決するためフィラメントの材質を見直し、硼化ランタン(以下:LaB_6)に置き換え時間短縮をはかった。 2.観察窓が曇る現象を改善 旧フィラメントはエージング時に水分を含んだGASを放出するため、プラズマ観察窓を白く曇らせることで観察を難しくしていた。LaB_6の置き換えることで問題を解決した。 3.歪めない電界分布 旧フィラメントは使用時間が長くなると、酸化バリウムの燃えかすが発生する。この燃えかすは、プラズマカップ周辺に堆積することで、プラズマの電界分布を歪め不安定なプラズマが生成されていた。置き換えることで問題を解決した。 4.ガス流量調整の改善 イオン源に供給するガス流量調整はマイクロメーター付きベローシールバルブを使用していることで、調整が非常に難しい。そこで高真空リーク弁(VT-10)を使用し問題の解決に努めた。 5.広角観察窓への置き換え プラズマの発生状態を見せる工夫として、これまでの観察窓20mmだった物を35mmに置き換え、観察しやすい工夫をおこなった。 改良したイオン源可視化装置では、再現性が格段に向上した。発生に必要な電源パラメーターを変化させ、プラズマの状態変化を効率よく目視出来ている。
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Research Products
(2 results)