2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経ブロック針の超音波視認性評価のための穿刺実験システムの開発
Project/Area Number |
23922017
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Research Institution | 関西労災病院 |
Principal Investigator |
林 英明 関西労災病院, 医師
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Keywords | 神経ブロック / 超音波 / 画像処理 |
Research Abstract |
研究目的:本研究は、超音波画像下神経ブロックに使用される多様な性状・サイズの針の超音波視認性を、生体組織を模倣した条件の下で適正に比較するための評価実験システムを開発し、その有効性を検証することを目的とする。 研究方法:被験者に針の穿刺を繰り返す負担を求めることなく、体内に刺入されたブロック針の超音波画像を擬似的に再現するための方法として、針単独の超音波画像と人体組織の超音波画像を個別に記録し、画像処理技術を用いて両者の合成画像を生成する技法の有効性を検討した。研究を進めるに当たり、まず、針単独の超音波画像を記録するための方法の検討を行い、次に針と人体組織の超音波画像の合成に適した画像処理法を決定した。その後、性状・サイズの異なる複数のブロック針を対象に選び、決定した評価方法に基づき生体内に刺入された針の超音波画像を擬似的に合成することを試みると共に、その有効性を検証した。 研究成果:針単独の超音波画像を観察・記録するため、寒天ブロックに対する穿刺実験を行い、目的とする超音波画像を収集する手法を確立した。次に、画像処理ソフトウェアを用いて針と人体組織の超音波画像を合成するための方法を検討し、至適な合成画像を得るための処理方法や条件を決定した。これらの結果に基づき、複数のブロック針を対象として生体内に刺入された針の超音波画像の合成を試みた。大腿の観察から得た組織像を背景画像に設定し、この共通の背景画像に個々の針を重ね合わせ合成画像を生成した。全ての針の視認性の評価を共通の背景画像の下で行えることは、被験者に対して穿刺実験を繰り返す方法によっては実現できない条件であり、この特長は画像処理技術の応用によってもたらされる特筆すべき利点であることが確認できた。本研究で確立した技法は、ブロック針の超音波視認性を適正に評価するための有効な手段となり得ることが示された。
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