2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハエトリグサの活動電位および捕食反応の研究と、その教材化
Project/Area Number |
23923005
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Research Institution | 埼玉県立杉戸高等学校 |
Principal Investigator |
平岩 真一 埼玉県立杉戸高等学校, 教諭
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Keywords | 活動電位 / 植物の反応 / ハエトリグサ |
Research Abstract |
教科書に記載されている動物の活動電位は、一般に反応が速いため、高校生が観測することは難しい。一方、ハエトリグサやオジギソウなどの植物で観察される活動電位は、比較的ゆっくりした反応であるので、高校生物の題材として扱いやすい。研究代表者は、平成22年度に埼玉県立大宮高校(前任校)で、顧問として生物部を指導した。その際、安価な生徒実習用デジタルテスターを用いて植物の活動電位を測定する方法を、生徒とともに開発し、観測結果を「ハエトリグサの捕食反応III」として日本学生科学賞で発表し、内閣総理大臣賞を受賞した。本研究では、このときに使用した活動電位測定装置を、一般生徒にも使用させ、植物の活動電位を観測させる実験を実施すること、および、埼玉県立杉戸高等学校(現任校)の理科部において、植物の活動電位測定をさらに詳細に行い、植物の記憶について調べることを目的として研究を行った。 しかし、申請者の異動により研究環境が大きく変化したため、最初に、前任校で実施してきた測定法を、現任校の理科部の部員とともに行い、実施できるようにすることを目標とした。銀-塩化銀電極を作製し、物理の生徒実習で使われるデジタルテスターを用いて、ハエトリグサの感覚毛に2回の刺激を与えて電位を測定したところ、文献に掲載されている活動電位と同様の変化を測定できた。しかし、残念ながら、速い活動電位を測定する方法は、今回開発できなかった。また、オジギソウを材料にして活動電位測定を行ったところ、文献に記されたものと同様の活動電位を測定できた。さらに、オジギソウでは活動電位の伝達に伴い、小葉や葉柄の変化を観察できるため、生徒が行う実験や研究で、活動電位の変化と葉の変化を組み合わせて、実験・研究を進めることができる可能性があることがわかった。
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