2011 Fiscal Year Annual Research Report
異なる除草機を用いた場合の耐倒伏性・受光体勢・収量の差異
Project/Area Number |
23925014
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐久間 拓也 山形大学, 農学部, 技術員
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Keywords | 稈長 / 倒伏 / 除草機 |
Research Abstract |
近年、環境保全型農業が注目されている。除草剤を使用しない除草方法として除草機による埋没抑草方式があげられ、除草効果の他に、イネへの物理刺激による稈長を抑制する効果があることが認められている。チェーン除草も同様にイネへの物理刺激が起こるため、稈長抑制効果が期待されるが研究報告は少ない。 また、地域で古くから栽培されていた品種を選択する事は付加価値をあげる方法の一つである。しかし長稈品種が多く、化学肥料を用いる慣行農法では倒伏し易いという問題がある。 そこで、埋没抑草方式(埋没)、チェーン除草機(チェーン)、株間のみを処理する一般的な除草機(一般)を用いて長稈で倒伏し易い品種を栽培し、受光体勢・収量・耐倒伏性の差異を調査した。 受光体勢推定のため5/30-8/1の間約10日おきに茎数、葉色を調査した。茎数は無処理区と比べ、全ての除草機処理区が低い傾向を示したが、埋没区が7/1に28%減、8/1に13%減と、特に低い傾向を示した。葉色は全ての除草機処理区で7/1以前は低い傾向を示し、7/1以降は高い傾向を示した。 収量は無処理区、埋没区、チェーン区、一般区でそれぞれ437、398、436、424(kg/10a)となり、埋没区が低い傾向を示した。 稈長は無処理区、チェーン区が埋没区、一般区に比べ5%水準で有意に高い値を示した。倒伏程度については強風で一斉に倒れたためデータが得られなかった。 以上より、除草機刺激の差異は、イネの受光体勢・収量・形態の差異に影響を及ぼすということが示唆された。埋没抑草方式は稈長は抑えられ、耐倒伏性を高める効果が期待されるが、茎数が減少し収量が低くなる傾向となった。生育後半の葉色は高く受光体勢は良くなる傾向にあるため、改善のための検討が必要である。チェーン除草は生育後半の葉色は高まったものの、収量や稈長は無処理区と同等であり、刺激効果は低いことが伺えた。
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