2011 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動の治療におけるベプリジル血中濃度測定とCYP2D6遺伝子診断の有用性
Project/Area Number |
23927006
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福森 史郎 三重大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Keywords | ベプリジル / 心房細動 / アブレーション |
Research Abstract |
【目的】 心房細動に対する拡大肺静脈隔離アブレーションを施行された患者に、再発予防としてベプリジルが汎用されている。ベプリジルの体内動態には個体間変動が大きいことが知られており、これまでに有効治療濃度域並びに血中濃度と徐脈や心電図QT延長等の副作用との関係について十分な検討がなされていない。 本研究では、心房細動に対するアブレーションを施行された患者において、ベプリジルの血中濃度を測定し、血中ベプリジル濃度と有効性・安全性の相関を評価した。 【方法】 三重大学医学部附属病院においてアブレーション後にベプリジルの投与を受ける患者を対象とし、ベプリジルの血中濃度ならびに心電図、血液生化学的検査をアブレーション前ならびに術後1、3、6ヵ月目に測定する。有効性は心房細動の有無を心電図所見から客観的に評価する。副作用の発現は、QT間隔が0.5秒以上、脈拍が50回/分以下の場合とする。ベプリジルの血中濃度測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した。なお本研究は当院倫理委員会の承認を得たうえで実施した。 【成果】 現在、13例27点の血中濃度を測定したところ、体重当たりの投与量と血中濃度に相関関係は認められなかった。また、血中濃度と洞調律、QT間隔および脈拍に相関関係は認められなかった。今回の結果から、血中濃度に個体間変動が大きいことが確認でき、今後は症例数を増やし、ベプリジルの代謝に関与するCYP2D6の遺伝子多型と血中濃度との相関について調査していく。
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