2011 Fiscal Year Annual Research Report
活動量計による消費カロリー測定に基づく栄養管理の有用性の評価とシステムの構築
Project/Area Number |
23927007
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 知広 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤主任
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Keywords | 活動量計 / 栄養管理 / 栄養サポートチーム |
Research Abstract |
【研究の目的】現在、多くの施設において栄養サポートチームによる栄養管理が行われている。栄養管理の基となる栄養評価は治療上、非常に重要であるが、実際には患者個々の必要エネルギーを正確に測定することは多くの施設においてきわめて困難な状況にある。そのため、実際には厳密な検討がなされないまま栄養療法が実施されていることも多く、不適切な栄養療法が行われる一因と考えられる。 本研究では、市販されている活動量計により測定した消費カロリーを基に栄養評価を行い、その有用性を検証し、患者個々に対して適切な栄養療法が提供できるシステムの構築を目的とする。 【研究実施計画】浜松医科大学医学部附属病院において大腸癌手術を受ける外来患者を対象とし、手術前後における活動量を市販の活動量計を用いて測定すると共に、栄養状態の変化についても比較を行った。栄養状態の検査項目として血清アルブミン、トランスサイレチン、亜鉛を用いた。なお、対象患者にインフォームドコンセントを行い、文書による同意を得た。 【結果】対象患者5名(男/女=4/1、平均年齢68.0±5.2歳)の結果から、手術前後における活動量の差は個人差が大きく、一定の傾向は認められなかった。血清アルブミンおよびトランスサイレチンの手術前後における変化は、それぞれ平均-1.1±0.2g/dLおよび-11.4±1.3mg/dLと低下傾向であった。しかし、術後2ヶ月の時点ではほとんどの患者で術前と同程度に改善が認められた。亜鉛の増減については手術前後においてほとんど変化が認められなかった。今回の患者全員が術後1週間以内に食事再開となったが、手術における侵襲および短期間の低栄養状態による栄養状態の悪化が認められた。術後の摂取工ネルギーには個人差が大きく、術後早期における適切な栄養管理が栄養状態の早期改善に影響を及ぼすと推測された。
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