2011 Fiscal Year Annual Research Report
てんかんを併発する行動異常動物モデルを用いた免疫組織学的研究
Project/Area Number |
23929016
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
飛鷹 範明 愛媛大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Keywords | 電撃けいれん(ECS) / α4β2nAChR / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
【目的】てんかんに併発する精神障害の発症機序を明らかにするため,電撃けいれん(ECS)を反復負荷したラットの脳組織を用いて免疫組織学的検討を行った。Wistar系雄性ラットにECS(50mA,0.2sec)を7日間反復負荷することによりY-maze試験での自発的交替行動率の低下とOpen-field試験での自発運動量の増加が引き起こされる。我々は既に,これらの行動障害は抗てんかん薬の前投与によってけいれんを抑制することで改善されること,さらにアセチルコリンエステラーゼ阻害薬のphysostigmineならびにα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)作動薬のABT-418が,自発的交替行動障害(短期記憶障害)を改善することを確認している。今回は,学習および記憶において重要な役割を担っている海馬および前頭前野にターゲットをあて,反復ECSに伴う行動障害に対するα4β2nAChRの関与について免疫組織学的研究を行った。 【実験:免疫組織学的検討】実験にはWistar系雄性ラット(6-8週令)を用い,ECS(100V,50mA,0.2秒間,60Hz)を1日1回7日間反復負荷した。反復ECS負荷後24時間に脳灌流を行い,脳を取り出した。その後,作成した海馬および前頭前野の脳切片を作成し,AChRα4抗体を用いた酵素抗体法によって免疫組織学的染色を行った。 【結果】α4nAChR陽性細胞数は,反復ECS負荷によって前頭前野の前辺縁領域および海馬のCA1とCA3領域でsham群と比較して有意に減少した。 【考察】アセチルコリンエステラーゼ阻害薬のphysostigmineならびにα4p2nAChR作動薬のABT-418が,反復ECS負荷後による短期記憶障害を改善することを考え合わせると,反復ECS負荷による行動障害に前頭前野の前辺縁領域および海馬のCA1とCA3領域のα4β2nAChRが関連している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)