2011 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線Cパルス閃光照射の各種細菌・腫瘍細胞への殺傷・殺滅効果および作用機序の解明
Project/Area Number |
23930007
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊東 丈夫 東海大学, 伊勢原研究推進部・教育・研究支援センター, 技師補
|
Keywords | UVCパルス照射 / 選択的腫瘍細胞死 / 癌治療 |
Research Abstract |
I.UVCパルス閃光の腫瘍細胞、細菌への効果および作用機序の解明・検証, II.UVCパルス閃光機器の実用化に向けてのプロトタイプの開発 を目的として I.(i)腫瘍細胞群:(1)ヒト乳がん細胞株,(3)ヒト子宮頸がん細胞株,(4)ヒト繊維肉腫細胞株,(5)ヒト腎がん細胞株,(6)ヒト前立腺がん細胞株,(7)ヒト絨毛上皮腫細胞株.(8)ヒト白血病臨床分離株、(ii)対照細胞群:(1)アフリカミドリザル線維芽細胞株,(2)犬腎臓上皮細胞株、(iii)細菌類:(1)黄色ブドウ球菌,(2)緑膿菌,(3)大腸菌,(4)芽胞菌セレウス菌臨床分離株,(5)メシチリン耐性黄色ブドウ球菌臨床分離株,(6)多剤耐性緑膿菌臨床分離株を対象とし、UVCパルスの段階的照射を実施し、併せて、活性酸素種(ROS)、OH・ラジカルの発生確認を施行した。 結果:(1)すべての腫瘍細胞の死滅、非腫瘍細胞の生存を確認。腫瘍細胞は、照射量に応じて細胞死を迎え非腫瘍細胞はいずれの照射量でも生存した。腫瘍細胞特異的に活性酸素種(ROS)、OH・ラジカルの発生を確認した。(2)細菌類は芽胞菌を含むすべての菌でその殺菌効果が確認された。 考察:本効果は、癌腫(上皮組織由来の悪性腫瘍)、肉腫(非上皮組織由来の悪性腫瘍)の固形癌、白血病・悪性リンパ腫などの液性癌などと対象を限定せず、効果を認めた。また多剤耐性菌をも含む細菌類での効果が確認されたことで、UVCパルス閃光被曝量の腫瘍細胞死滅閾値、健常細胞安全閾値、細菌類殺菌閾値の基礎データから安全ガイドラインの目安ができた。 (3)作用機序は、癌細胞膜に多数存在するDeath Receptorの作用活性化による活性酸素種の大量発生(主にOH・ラジカル)とそれらを除去するRadical Scavenger機能の低さの相乗作用による膜破壊細胞死の一端が確認できた。 II.UVCパルス照射装置の試作品の完成を見た。現在効果を検証中である。
|
Research Products
(5 results)