2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗生剤耐性因子新規β-ラクタマーゼの酵素活性の測定
Project/Area Number |
23930023
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松本 竹久 信州大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Keywords | Elizabethkingia miricola / β-ラクタマーゼ / ESBL |
Research Abstract |
近年、医療現場では抗生剤を分解してしまうβ-ラクタマーゼを産生する薬剤耐性菌が問題となっている。Elizabethkingia属菌は、β-ラクタマーゼ産生菌であり、院内感染や日和見感染症の原因菌として問題となる菌であるが、保有するβ-ラクタマーゼは未だに解析されていない。本研究では、発見したElizabethkingia miricola(E.miricola)の保有する新規β-ラクタマーゼ遺伝子配列を解析し、酵素活性を測定することを目的とし研究を行なった。 今回、E.miricolaからDNAを抽出し、ダイレクトシーケンス法により新規β-ラクタマーゼの全遺伝子配列を明らかにした。そしてNCBIのBlast searchやClustalW等のソフトを用いて遺伝子解析を行い、新規β-ラクタマーゼ遺伝子のアミノ酸配列の確認や系統分類学解析を行なった。単離した新規β-ラクタマーゼ遺伝子配列は、アミノ酸配列において、Elizabethkingia miningosepticaの保有するβ-ラクタマーゼ,CME-1,に対して、最も高い94%(280/295a.a)の相同性を示すことがわかり、またアミノ酸配列解析から現在医療現場で問題となっているExtended-Spectrum Class A B-Lactamase(ESBL)の一種であることがわかった。私たちはこの新規β-ラクタマーゼ遺伝子をEMA-1と命名した(現在、配列データは未公開)。今後、この新規ESBLであるEMA-1を解析することは、今後の薬剤耐性菌治療において重要な意義を有すると考えられる。現在、EMA-1遺伝子を制限酵素とDNA T4 Ligaseを用いてタンパク質発現用pBK-CMVベクターへ遺伝子を組み込み、タンパク質の回収・精製を検討している。
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Research Products
(1 results)