2011 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧におけるSLC12A3遺伝子プロモーター領域多型の意義
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23931029
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
蔦谷 昭司 弘前大学, 医学部附属病院, 副臨床検査技師長/臨床検査技師
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Keywords | 高血圧 / SLC12A3 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
近年、サイアザイド感受性Na-Cl共輸送体をコードするSLC12A3遺伝子と血圧異常との関連性が示唆されている。これまでの研究はいずれもSLC12A3のコード領域での変異や一塩基多型と血圧との関連性を検討しており、プロモーター領域の一塩基多型と血圧異常との関連性についての調査は行われていない。そこで、SLC12A3遺伝子のプロモーター領域多型と高血圧との連関解析を行い、高血圧における疾患感受性遺伝子マーカーとしてのSLC12A3遺伝子のプロモーター領域多型の可能性について検討した。 対象は採血と遺伝子解析の同意を得られた地域住民823例で、治療歴および健診時の血圧から高血圧群330例と、正常血圧群396例の2群に絞り込みを行った。SLC12A3遺伝子のプロモーター領域多型解析は、EDTA加血液より抽出したゲノムDNAを試料とし、2種類の一塩基多型(-141G/C多型および-605C/T多型)についてTaqMan-PCR法で行った。 高血圧との連関では、SLC12A3-141G/C多型での高血圧群における各遺伝子型は、GG型228例、GC型80例、CC型22例であり、正常血圧群ではGG型268例、GC型107例、CC型21例と両群間に有意差を認めなかった。また、対立遺伝子頻度においても両群間に有意差を認めなかった。SLC12A3-605C/T多型についても各遺伝子型および対立遺伝子頻度において、高血圧群と正常血圧群との間で差異を認めなかった。さらに、正常血圧群において、それぞれの一塩基多型の各遺伝子型とBMI、収縮期血圧、拡張期血圧などの各パラメーターを比較したが、差異を認めなかった。 SLC12A3遺伝子のプロモーター領域の2種類の一塩基多型と高血圧に連関が認められなかったことから、これらの一塩基多型が高血圧の遺伝子マーカーになる可能性が少ないことが示唆された。
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Research Products
(7 results)