2011 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌手術後患者への顎補綴作成と嚥下圧検査の有用性に関する研究
Project/Area Number |
23932001
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒田 浩幸 神戸大学, 医学部附属病院, 歯科技工士
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Keywords | 歯学 |
Research Abstract |
【研究目的】口腔癌術後の嚥下機能の評価法。嚥下舌圧を中心に新たな視点での検討【研究方法】舌癌患者において舌部分切除術,舌可動部半側切除術を施行した患者のうち経過観察中に舌圧測定が可能であった69例、平均64.6歳。手術の詳細は部切群41例、可動部反切群28例、頸部郭清は35例39側に施行。使用器具は舌圧測定器(IMS社製)で最大舌圧および嚥下時舌圧を測定した。なおcontrol群として健常な男女計22名(平均65歳)。 【結果】 (1)部分切除症例の舌圧は健常人と有意差を認めなかったが、可動部半側切除症例では有意差を認めた。なお、舌部分切除後の創面の処理として、単純縫合、PGAシートとの比較では有意差はなかった。さらに、舌部分切除の際の切除方法として電気メス、レーザー切除での比較検討も舌圧に関して有意差はなかった。 (2)可動部半側切除後舌機能低下症例に対し、補綴的アプローチで舌圧の上昇が可能かの検討ではPAP(舌口蓋接触補助床)を作成し(作成段階でも舌圧の最も大きい床の設計を行った)、結果として舌圧の改善に伴い、自覚的な嚥下機能の向上を認めた症例を報告した。 (3)舌圧のみで個々の嚥下状態の評価することは困難である。しかし、今後、可動部半側切除患者の舌骨の運動解析を行い追加報告する予定である。
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