2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23933006
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
河本 舞 兵庫医科大学, 研究技術第2課, 技術員
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Keywords | 精子 / ドライアイス / 低温輸送 |
Research Abstract |
研究目的: 現在の凍結精子の輸送は、高価なドライシッパー輸送容器(-196℃)を用いるのが一般的である。そこで、本研究では、それらを使用せず、安価なドライアイスを使用して、マウス精子を他施設に低温(-80℃~4℃)での輸送を確立することを目的とした。(実験A)は、精子の活性と生存率、体外受精の受精率を高く保てる保存温度を確立した。次に(実験B)は、実験Aで受精率を高く保てた温度で他施設に輸送し、輸送後に体外受精を行い、受精率を調査した。 研究方法と成果: (実験A)は、C57BL/6Jマウスより精子を採取し、精子保存チューブ(採択された研究条件)に入れ、低温環境(-80℃/-200℃/4℃)および対照として-196℃に移した。そして、24、48、72時間後の精子の活動、生存率、体外受精に用いて受精率を調べた。その結果、どの温度条件においても精子の生存率や受精率が非常悪かったため、精子保存チューブから、通常使用されている精子充填ストローに変更し、再度同様の実験を行った。 その結果、-80℃の低温環境においたものが精子の活性もよく、生存率も50%以上、受精率についても88%と対照の-196℃の条件下よりも高い受精率であった。よって、-80℃での低温輸送条件が整った。 (実験B)は、実験Aの結果に基づき、精子を-80℃でのドライアイスによる低温輸送と対照として-196℃での液体窒素による輸送を行った。そして、体外受精を行った後、受精率を調べた。結果、-80℃輸送で55%、-196℃輸送で43%の受精率であった。よって、マウス精子の-80℃でのドライアイス簡易輸送は有用であると考えられる。
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