2011 Fiscal Year Annual Research Report
Focusカラム前処理による抗うつ薬のGC/MS分析及び定量分析
Project/Area Number |
23933009
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
須藤 美和子 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部・法医学講座, 主任医療技師
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Keywords | 抗うつ剤 / GC/MS / Focusカラム |
Research Abstract |
研究目的:法医学で扱われる解剖件数は年々増加し、抗うつ剤服用例もまれではない。剖検時採取の検体は、トライエージDOAで薬毒物スクリーニングを行っているが、国内で使用されている抗うつ薬のうち、セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であるフルボキサミン、パロキセチン、セルトラリンの3種、及びセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)であるミルナシプランはトライエージでは検出されない。そこで、これらの抗うつ薬についてガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC/MS)分析を試みた。 研究方法:SSRI3種及びSNRI1種を標準薬物としてGC/MS測定条件を決定した。更に無水酢酸とピリジンを用いたアセチル化誘導体による分析を試みた。工藤ら(J.Mass Spestrom.Soc.Jpn,2008)の方法に従い、4種の標準薬物溶液はFocusカラムを使用した前処理を行った。定量分析のため、重水素標識のジアゼパム(diazepam-d_5)を内部標準として検量線を作成し、剖検時採取した血液検体1mlにdiazepam-d_5を内部標準として添加し、Focusカラムを使用した前処理を行い、GC/MS分析を行った。 研究結果:4種類の標準薬物はアセチル化により検出感度が向上した。アセチル化を行う前には検出困難であったパロキセチンは致死濃度で検出可能となり、フルボキサミン、セルトラリンおよびミルナシプランは治療濃度で検出可能となった。解剖時に採取された血液検体70例でGC/MS分析を行い、1例からフルボキサミンが検出され、濃度は0.5μg/mlであった。
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