2011 Fiscal Year Annual Research Report
RA患者における超音波診断装置による生物製剤治療の有効性に関する臨床検査学的研究
Project/Area Number |
23933011
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
竹村 正男 岐阜大学, 医学部附属病院, 技師長・臨床検査技師
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Keywords | 関節リウマチ / 超音波診断装置 / 三次元(3D)評価 |
Research Abstract |
【目的】関節リウマチ(RA)治療において、サイトカインをターゲットとした分子標的治療が行われ、抗TNF関連薬剤が中心となり炎症性サイトカインの抑制を目的とした生物製剤が用いられている。EULAR-2009(欧州リウマチ学会)ではDrug freeをめざした早期診断、早期治療が提唱され、RAの寛解治療が現実なものとして、我が国でも受け入られている様になってきた。国内では5種類の生物製剤が保健認可され、それぞれ特徴のある薬効が期待されているが、効能が低下する二次無効症例も存在する。申請者は治療過程において、関節内の炎症の度合いを新しく開発された3Dイメージ超音波診断装置(3DUS)で可視化することにより、治療有効性の判断に成り得るかを目的とした。【方法】2011年4月から2012年3月までに主治医を通じて同意書(岐阜大学医学部倫理委員会承認)が得られた患者で、従来の抗リウマチ剤(DMARDs)を投与されていた症例25例と生物製剤投与された症例10例について関節の変化を測定した。手指関節にエコー検査専用ゼリーを2ml塗布する。高周波音波(12MHz)発振3D専用プローブを用いて患部に接触させ関節局所表層より180度域の情報を収集する。同様に両手指の第一関節と第二関節の8ヶ所のデーターの総和の平均値を数値化する。患者活動指数(DAS28-ESR)、CRP,従来の2D超音波グレード(0、G1,G2,G3)について3DUS標示(Voxel数)として検討した。【結果】従来の2D法と3D法の相関はr=0.857(p<0.0001)と良好であった。従来の2DUSグレードを3DUSで数値化した平均値(Voxel数)は(0=16、G1=1230、G2=7711、G3=26838)グレードの変化に伴い上昇していた。また患者活動指数DAS28-ESRと相関(r=0.40,p<0.001)が認められた。 一方、炎症の指標であるCRP,ESRとは相関は認められなかった。【考察】3DUSでRA患者の手指関節の血流量を評価した。同一検者での測定再現性、検者間における測定再現性はともに良好であった。手指8関節での3DUSによる血流量はRAの疾患活動性をある程度反映することが窺われた。今後、他の関節の評価、同一関節の経時的評価を検討し、効果判定等のツールとしての有効性を評価する必要があると考える。
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Research Products
(5 results)