2023 Fiscal Year Annual Research Report
変革をもたらすコンピテンシーを育む教材開発~豆は未来を救えるか~
Project/Area Number |
23H05051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 孝恵 広島大学, 附属高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食料危機 / 豆の力 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
食料危機という地球規模の課題を考えるために、およそ一万年前から栽培され食料として人類を支えてきた「豆」に注目した。豆関連の資料や冊子を存分に活用できるように整えたことで、グループで興味のある豆を一つ選んで徹底的に調査を行うことができたとともに、互いの発表時にも複写ラベルシールを使用することでグループのまとめや個人のワークシートへのまとめが効率的に行われ、学んだことや考えたことを個人のワークシートを見て振り返りがしやすくなったため、見方が深まった。調理実習でのテーマも豆と決め、豆料理と調査活動とを同じ日に行ったことで、筆者は準備が大変であった。しかし、生徒にとっては楽しみな内容であり美味しく試食できたことで、豆に対する興味が広がり生活への応用力が身についたと思われる。また、ゲストティーチャーをお招きし、畦豆をはじめとした非常にわかりやすい講演をしていただいたことは、生徒が豆の栽培や豆の様々な利用方法、家族農業について理解を深めるための大変有意義な時間となった。さらには、豆ととうもろこし、かぼちゃなど3種の植物をともに植えるアメリカやメキシコの伝統農法も紹介し、私たち人間にとっての豆の力(調査活動や調理から理解)と地球の自然環境(生態系)にとっての豆の力(講師の方から理解)を追求し豆の魅力を考える上で、生徒はより多面的・多角的に思考を深めることができたことも大きな成果である。一連の実践は、さまざまな分野の方のご協力を仰ぎながら、生徒自身がしっかりと食に向き合い、家族の方と共にこれからの食について考え生活の中で実践する力を育むものとなった。グローバルな視点で物事を考えながらも、世界をより良い方向へ変える力を身につける礎を築くことができたと考える。
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