2023 Fiscal Year Annual Research Report
別室登校指導に対する教職員の意識の解明(2)-負担感軽減に向けた支援体制の構築-
Project/Area Number |
23H05084
|
Research Institution | 舞鶴市立大浦小学校 |
Principal Investigator |
中川 靖彦 舞鶴市立大浦小学校, 校長
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 別室登校 / 負担感 / 社会的自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学校教職員を対象にした質問紙調査によって,教育支援センターや学びの多様化学校の活用等が注目され,ICT等を活用した教育のスタイルが広まりを見せている中でも,教職員は,不登校生徒支援は今後も別室登校をとおして校内で担っていくものであるとの自負があり,その自負は負担感を生み出す背景になる可能性があることがわかった。 また,教職経験年数別(若手・中堅・ベテラン)で比較すると,中堅教職員に比べて若手教職員やベテラン教職員に別室登校指導の負担感が強いことや,職能別では,管理職も負担感を強く感じている存在であることも明らかになった。 これを受け,校内支援体制構築に強い影響を持つであろう管理職が負担感を感じているということに着目し,校長経験者に対するPAC分析やインタビュー調査を実施することにより研究の精緻化を図った。 その結果,管理職は別室登校指導の意義として,社会的自立に向けた支援の重要性を強く志向していることが明らかになった。さらに,管理職としてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携は,不登校生徒支援には不可欠であり,また支援に有効であることを認識しているが,現状として教職員の中には専門職との連携を苦手とする者もおり,充実した支援体制を構築するにあたって苦戦する一因になっているという現状もわかった。 教職員の負担感も考慮した支援体制づくり及びチーム学校を実現に向けては,専門職との連携が重要な要因になる可能性が示唆された。
|