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2023 Fiscal Year Research-status Report

Florentin Painting in the Geographical Perspective: Beyond Center-Periphery Model

Research Project

Project/Area Number 23K00159
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

伊藤 拓真  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (80610823)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 健一  成城大学, 文芸学部, 教授 (70372670)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Keywordsルネサンス美術 / フィレンツェ / ローマ / ボローニャ / 美術批評
Outline of Annual Research Achievements

本年度は研究開始の一年目として、文献調査および作品調査によって対象とする個別事例についての知見を深めた。
研究代表者・伊藤の活動としては、文献調査としては、個別の作品にかかわる文献のほか、S. Campbell, The Endless Periphery, 2019やF. Bologna, La coscienza storica dell’arte d’Italia, 1982などの著作を再確認し、方法論的な枠組みの考察を行った。2023年から9月から11月には、在フィレンツェ・オランダ大学連合美術史研究所(NIKI)に、スカラー・イン・レジデンスとして滞在し、同研究所の文献資料を活用した調査を行うとともに、フィレンツェおよび関連地域の作品および関連資料の調査を集中的に行うことができた。また同研究所で開催されたシンポジウムArtists' Workshop Practice in the Renaissanceに参加するなどして、現地の研究者との知見を交換することができた。具体的な研究成果としては、ウンブリア地方出身であった画家ペルジーノが、フィレンツェの文化潮流にどのように適応したかを分析し、NIKIにおける講演として口頭で発表を行った。
分担者・高橋は、バロック美術の誕生に大きな役割を果たしたアンニーバレ・カラッチがその初期の拠点ボローニャで制作した作品の分析をおこなった。作品から新たに得られた画家像をもとに、ベッローリとマルヴァジアなどの各人の美術史記述の妥当性について検討し、フィレンツェやローマを中心とする美術史記述に対する意識を確認した。
また2024年3月には研究代表者・分担者のほか、関連する研究者の参加のもと研究会「近世イタリアにおける美術の諸相」を開催し、関連テーマについての知見の交換および議論を行い、今後の研究の方向性を確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究代表者、分担者ともに、科研費によってイタリア現地での作品調査・分析を行うことになり、本年度は想定に対して十分な結果を得ることができた。特に研究代表者である伊藤については、NIKIのスカラー・イン・レジデンス制度によって長期の現地滞在が可能になったことから、集中的に作品の実見を行うとともに、現地でなければ閲覧が困難な文献を調査することが可能になったことが大きい。

Strategy for Future Research Activity

研究の二年目となる2024年度以降については、個別の事例の調査を進めると同時に、その分析のための方法論的な枠組みを多角的に検討していく必要がある。そのために、2025年には在フィレンツェ・オランダ大学連合美術史研究所との共催によるシンポジウムも計画している。また2024年は分担者・高橋が長期の現地滞在を予定しており、その機会を活用しての調査の進展が期待される。

Causes of Carryover

本年度は、研究代表者・伊藤が在フィレンツェ・オランダ大学連合美術史研究所のスカラー・イン・レジデンスに採用されたことにより、現地調査における滞在費を節減できたことが次年度使用額が生じた主要な理由である。次年度使用額分については、次年度以降の現地調査および文献購入などの費用にあて、研究を加速させることを計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Perugino and the Management of Styles: ‘Andrea d'Assisi’ Reconsidered2024

    • Author(s)
      Takuma Ito
    • Organizer
      Nederlands Interuniversitair Kunsthistorisch Instituut (NIKI) (Florence)
  • [Presentation] 近世イタリアにおける美術の諸相2024

    • Author(s)
      伊藤拓真・高橋健一・桑原夏子・大熊夏実
    • Organizer
      科学研究費助成事業「フィレンツェ絵画の地域性:中心と周縁の二元論を超えて」主催研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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