2024 Fiscal Year Research-status Report
『中興間気集』の研究――盛唐から中唐への転換点という視座から
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23K00341
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| Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
遠藤 星希 法政大学, 文学部, 准教授 (30755278)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 和人 徳島大学, 教養教育院, 准教授 (80431881)
高芝 麻子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80712744)
大橋 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20451453)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | 中興間氣集 / 高仲武 / 大暦詩 / 安史の乱 / 中唐 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、前年度に続いて、本研究課題の中核をなす『中興間氣集』(中唐初期に高仲武が同時代の詩人たちの作品を集め、編纂した詩集)所収の詩の訳注作業を中心に行った。 中核となる研究グループは、研究代表者1名、研究分担者3名、協力者7名(前年度から1名増)の計11名から成る。本グループで、学期中は毎月1度の研究会をZoomによるオンラインで開催し、長期休暇中は対面による短期集中型の研究会も開催して、訳注作業を進めた。2025年4月時点で、『中興間氣集』所収の詩135首のうち、全体のほぼ4割に当たる55首の訳注の草稿を作成し終えている。これらの詩の大半は、既存の翻訳が日中両国ともに存在しないものであり、初の現代語訳となる点において、重要な意義を有している。訳注の成果の一部は、『旭川国文』第37号・『明海大学外国語学部論集』第37集にて公表した。また、『中興間氣集』には、収録する詩の作者に対する編者高仲武の評語も載せられているが、この評語についても、全26名の作者のうち、半数を超える14名分の訳注の草稿作成がすでに完了している。 また、2024年10月11日には、國學院大學にて開催された中唐文学会の第35回大会にて、「『中興間気集』から見た詩史の諸相」と題するシンポジウムを企画した。このシンポジウムにおいて、本研究グループに属する3名のパネリストが、それぞれの専門領域の見地から『中興間気集』に関連する報告を行い、さらに外部から招いたコメンテーターによる講評、会場の研究者との意見交換等を介して、中国詩史における大暦詩壇の位置づけについて問題意識を共有し、『中興間氣集』が唐代詩史の流れの転換に作用する重要な意義を有している可能性を提示した。本シンポジウムで発表した内容は、2025年度中に論文化し、中唐文学会の機関誌『中唐文学会報』に投稿・発表する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、2023‐2024年度を第一期として区切っている。この第一期の一つ目の目標は、『中興間気集』訳注作成の作業を一通り完了させることであり、二つ目の目標は、中唐の文学と『中興間氣集』との関わりに着目し、2024年度に中唐文学会の大会においてシンポジウムを開催することである。 前者の目標については、『中興間氣集』所収の詩135首のうち、訳注の草稿を作成し終えているのが全体のほぼ4割に当たる55首であること、および全26名の作者に対する高仲武の評語のうち、訳注の草稿作成が完了しているのが14名分であることを考慮すると、目標を再設定し、3年目の2025年度も引き続き訳注作成の作業にリソースを割く必要があるように思われる。 一方、後者の目標については、当初の予定どおり、中唐文学会の第35回大会にて「『中興間気集』から見た詩史の諸相」と題するシンポジウムを開催することができた。シンポジウムの成果については、2025年度中に論文化し、中唐文学会の機関誌『中唐文学会報』に投稿・発表する予定である。 こうした状況を総合的に考慮した結果、本課題の進捗状況は「やや遅れている」と評価した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度も、本研究課題の中核をなすのは『中興間氣集』所収の詩と評の訳注作業であるが、【現在までの進捗状況】でも先述したように、今後は訳注の作業ペースと効率を上げる必要がある。具体的な方策としては、たとえば、一度の研究会の開催時間を延ばすこと、あるいはメンバー全員が集まれなくてもよいので、参加可能なメンバーのみを対象として1か月に研究会を2回開催すること等を研究グループ内で検討する。また、新たにグループに加わることができる研究者がいないか、周囲への声掛けも引き続き推進する。 また、研究会の効率を上げ、1首辺りの検討時間を短縮するための方策として、訳注草稿の体裁の遵守を徹底し、かつメンバー内で草稿を早期に共有することにより、研究会当日は問題点の検討と解決に専念できるような仕組みを構築する。
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| Causes of Carryover |
2025年度は、2024年度に実施したシンポジウムの発表内容、およびシンポジウム登壇者以外の研究グループのメンバーによる研究成果を論文化し、学術雑誌に発表する予定である。その際、2024年度のグループの研究成果を総覧できるようにするため、特定の学術雑誌に論文を集約させ、『中興間氣集』研究の特集を組んでもらう予定である。誌面の多くを本研究成果の公表に使わせていただくため、また例年より雑誌の総ページ数を大幅に超過させることになるため、その学術雑誌の印刷費の一部を科研費から支出することを、当該雑誌の編集担当に申し出る予定である。そのための費用として、余裕をもって次年度使用額を残しておくこととした。 その他、2025年度分の助成金は、研究グループによる調査旅行(行先は未定。『中興間氣集』の未見の版本を閲覧することを目的とする)の旅費、および研究遂行に必要な図書の購入費として使用させていただく予定である。
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