2023 Fiscal Year Research-status Report
一般学術目的の英語と専門研究をつなぐプロジェクト型大学英語科目設計モデルの構築
Project/Area Number |
23K00751
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
三谷 裕美 獨協大学, 法学部, 准教授 (10266710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一弘 京都大学, 文学研究科, 特定研究員 (00727795)
木村 雪乃 獨協大学, 法学部, 准教授 (40779857)
飯島 優雅 獨協大学, 経済学部, 教授 (50337838)
寺川 かおり 獨協大学, 外国語学部, 専任講師 (70812460)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大学英語教育 / プロジェクト型英語科目 / 一般学術目的の英語 / 科目設計モデル / 協働学習 / グローバル人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般学術目的の英語科目と専門研究の有機的連携を可能にするプロジェクト型大学英語科目開発研究を通して日本の大学教育環境に適した英語科目のモデル構築を目指す取り組みのなか、本年度は科目の全体設計と授業の構成要素の準備に取り組んだ。具体的には、授業の年間計画、シラバス、学年前半の毎週の教案と教材の作成を行った。さらに、次年度の全クラス一斉実施を目指し、本年度中に一部のクラスでパイロットとしてプロジェクト型授業を実施した。パイロット授業を実施したクラスでは、学生を対象にしたアンケートを行い、プロジェクトに取り組むうえで感じた難易度や達成感などを調査し、改善点の確認を行った。 また、パイロット授業を行ったクラスと従来の授業を行ったクラスとで英語運用能力の伸長について客観的な比較ができるよう、約90名を対象に学年初めと学年末にオンラインのライティングテスト(G-TELP Writing Test)を行い、テストスコアのデータに基づき教育効果について予備的な分析を開始した。 情報収集については、文献調査に加え、1月にはプロジェクト型英語プログラムの先行事例調査の一環として、立命館大学を訪問し、授業見学と、プログラム開発・運営の責任者へのインタビューを実施した。プログラムの理念や基本設計のほか、学生への指導の仕方、成績評価方法、担当教員との情報共有の方法など、詳細について聞き取り調査を行った。 統一シラバスで複数クラスを運営するため、3月にはシステム担当者と協力し、翌年度からプロジェクト型授業を実施する26クラスの学習管理システム上の各クラスページに統一教材(毎週の授業手順や課題・小テスト、プロジェクトのガイドラインやルーブリックなど)を配布し、点検を行った。同時に、授業担当者へのFD活動として、科目の説明会を対面およびオンデマンド配信で行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト型英語科目の開発に向け、年度前半の教案・教材開発とパイロット授業の実施を終了した。年度後半の授業についても概要を確定し、統一シラバスを作成して学内外に公開した。また、先行事例の実地調査、パイロット授業の学習成果の測定を目的とした事前・事後テスト、学生アンケートなどデータ・情報の収集を行ったほか、授業担当者対象のFDの準備と実施など、当該年度に予定していた調査研究活動は概ね実施することができた。実践結果に基づく研究成果の発信については、2024年度以降を予定しており、大学英語教育学会第63回国際大会(2024年8月)での発表に応募し、承認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、開発に取り組んでいる科目のタスク開発、授業実践、教育効果測定を年間を通して行う。また、先行事例や文献の調査を引き続き行いながら、授業担当者と授業を受けた全学生を対象としたアンケートや聞き取り調査、一部クラスでの事前・事後テストの実施、授業で行ったプロジェクトの成果物の評価など、データ・情報の収集と分析をすすめ、科目設計の改善について検討を行う。また、パイロット授業での成果を中心に大学英語教育学会で実践報告を行うほか、他学会での発表にも応募する。令和7年度は、カリキュラム開発と授業実践、効果検証、授業改善のPDCAサイクルの2周目として、引き続きプログラムの運営と授業内容の改善に努めながら、さらにデータ・情報収集を行い、調査・研究成果をまとめ、国内外の大学で応用可能な汎用的プロジェクト型英語科目モデルを国際学会等で公開することを目指している。
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Causes of Carryover |
申請時に事前・事後テストで使用を予定していた教育効果測定テストが実施できないことになったため、テスト業者を変更して異なった種類のテストを実施した。当初予定していたテストでは受験者1名につき検定料6,000円×60名×事前事後の2回として見積もりを立てていたが、新たに採用したテストの検定料単価は2,000円と低かった。そのため、調査の規模を拡大し当初の60名ではなく約90名を対象に実施することができたが、当初の見積もりから年間で約300,000円の差が生じた。本年度はパイロット授業として2クラスのみで開発中のプロジェクト英語授業を行ったが、翌年度は開発中の科目を26クラスに拡大して実施するため、事前事後テストの実施規模を拡げ、客観的な教育効果測定のデータをより多く収集したいと考えている。
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