2023 Fiscal Year Research-status Report
The Circulation and Consumption of Medicinal Herbs in Early Modern Korea
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23K00879
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
辻 大和 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (50632303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 朝鮮王朝 / 生薬 / 薬用植物 / 朝鮮北部 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
朝鮮の公刊史料サーベイ調査を行った。1年を通じて韓国のデータベースなどを利用して記事の収集・分析を行った。韓国史データベースでは『朝鮮王朝実録』、『備辺司謄録』、『承政院日記』等の年代記資料、韓国古典翻訳院のデータベースでは個人文集中の記事を採集した。国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) 農業環境研究部門図書室(茨城県つくば市)では植民地期の朝鮮内の各農事試験場の研究成果を調査した。収集済みの文献情報については大学院生の補助を得て整理した。 そのなかで朝鮮王朝期、朝鮮半島北部での薬用動植物の流通や消費に関する興味深い情報が見つかった。以上の文献情報と対応する動植物標本、生薬標本に関し、2024年2月には明治薬科大学資料館(東京都清瀬市)、旧高野家住宅(甘草屋敷、山梨県甲州市)、同年3月には西大門自然史博物館(ソウル特別市)、ソウル大学(ソウル特別市)、ソウル大公園動物園(京畿道果川市)、薬令市(大邱広域市)などで調査を行った。 一方、内藤記念くすり博物館(岐阜県各務原市)が所蔵する『京城薬報』には朝鮮産薬用植物に関する情報が多く掲載されていることから、史料的性格を吟味する調査を行い、10月に就実大学(岡山県岡山市)で開催された日本薬史学会2023年会で「植民地朝鮮の薬業新聞『京城薬報』について」として口頭発表した。 本研究で得られた知見を、Cho Ilsoo 氏、川西裕也氏、木村可奈子氏、木村拓氏、矢木毅氏との共著論文であるFive Historiographical Trends in the Postwar Japanese Study of Joseon Historyに盛り込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献のサーベイ調査を各種ウェブデータベース、日本国内の研究機関で行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)韓国での未公刊史料調査や(2)日本および韓国等にある生薬標本、動植物標本の調査を進め、(3)18世紀までの朝鮮における薬用植物利用についての整理を行い、学会発表、論文発表等を行う。
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Causes of Carryover |
資料整理等が効率的に行えたため、人件費謝金の支出を抑えることができた。次年度使用額は高騰する旅費等に用いる。
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Research Products
(2 results)