2023 Fiscal Year Research-status Report
A Geographical Comparative Study of Historical Bird's-Eye Maps and Satellite Imagery from the Museum Archives.
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23K00965
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
新井田 秀一 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (20228125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 周一郎 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (10803273)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | CG鳥瞰図 / 吉田初三郎 / 画像解析 / 文理融合 / 景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
神奈川県周辺を対象としている歴史的鳥瞰図について、個々の鳥瞰図に封じ込められている時代的背景や名所旧跡などを網羅的に把握し、博物館活動での学習ツールとして広く活用できるように、博物館アーカイブスとして整理・構築することを目標としている。 令和5年度は「神奈川県鳥瞰図」に描かれている名所旧跡や交通網といった地物の時空間情報の抽出を始めた。名称が付与されている地物(387件)についての座標はすでに把握している。そこで、特徴的な外観をイラストで示しているのみの地物について、昭和初期の観光ガイドブックといった歴史資料などを参考に名称を特定し、座標を調べ、現存するかどうかの確認作業を進めている。多くの名所旧跡は現存していることがわかったが、ダム建設により失われた「相模川での舟遊び」のようなものがいくつか確認できている。 交通網については、鉄道については名称が付与されているため特定は容易であり、通過ルートの座標特定を進めた。しかし、路線によっては、廃線になっていたり、現在とは別企業の路線となっていたり、線形改良などにより現在とルートが異なるケースがあることがわかった。 道路網については「湘南パークウエイ」を除き路線名が示されていないため、名所旧跡や鉄道網などにより通過都市を推定し、昭和初期の地形図により路線座標の特定を進めた。この結果、県道などの路線指定がされていても現在でも未開通であるものが描かれていることがわかってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同時に検討する予定であった「箱根名所図絵」についての検討が遅れているが、描画領域としては、「神奈川県鳥瞰図」の中に含まれるものなので、大きな問題ではないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「神奈川県鳥瞰図」や「箱根名所図絵」だけでなく、他の鳥瞰図についても描画領域が重複しているところが多いので、比較検討を併せて進めていく。
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Causes of Carryover |
令和5年5月8日に新型コロナウィルス感染症が5類感染症に移行したが、この時点より感染拡大以前の状況に速やかに戻るわけではなく、県内外への移動制限や接触機会低減、業者への発注抑制などの影響が残ってしまい、予算消化が順調に行えなかった。
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