2024 Fiscal Year Research-status Report
How Limits of Responses by Bureaucracy Are Accepted - Study of Normative Models under Finite Resources and the Effects of Code of Conduct
| Project/Area Number |
23K01231
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| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 博子 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (50859436)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 官僚制 / 応答性 / 行為規範 / Neo-Weberian State / 民主制 / 政官関係 / 包摂・衡平 |
| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度は官僚制固有の規範に着目するNeo-Weberian State(NWS)モデルの適用可能性を軸として、国内外の研究ネットワークに参加し、複数の論文を公表した。 海外向けには、国際ワークショップを受けたJournal of Policy StudiesのNWS特集に向けて、日本との親和性及び課題を論じた縣公一郎、D. Vanoverbeke両教授との共同論文を提出し、10か国分析の1つとして掲載された。併せて、Handbook of Japanese Public Administration and Bureaucracy (中林・田中編) 、Public Administration in Japan (縣・稲継・城山編)に、「国民・政治からの過剰な応答要求」という日本の状況を国際的文脈に照らして分析した1章をそれぞれ執筆した。 また、行政学における人文学的視点の必要性を訴えるE. Ongaro教授主催フォーラムにおいて官僚の感情教育の意義を論じた論文を提出し(査読中)、World School Safety Conference and Expo(ソウル)において国民の安全確保責任をめぐる米国・ノルウェー・オランダ・韓国の研究者とのパネルディスカッションに参加した。 国内では、「NWSはNPMを上書きするか」「活動と仕事の視点からみた地域コーディネーター」の2論文を発表し、包摂・衡平など効率性を超えた行政固有の価値を分析した。また、官僚制と民主制の相克と補完に関し、人事院公務員研修所で幹部向け講演と意見交換を行った。 また、官僚制の応答限界に関しては、兼業規制・カスハラ等に関する総務省研究会に参加し、地方公務員の実態と線引き基準を検討したほか、官僚への要求と公務忌避との関係を論じた一般向け記事(Voice)を公表し、限界が受容される条件提示の足掛かりを得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、①日本の行政現場における応答実態と課題の把握、②海外研究者との意見交換を踏まえた官僚規範モデル案の策定、③応答限界の基準化に関する先行研究分析と日本における受容可能性の検討、という3つの柱を立ててきたところである。 ②については、NWSを基軸とした多くの海外行政学者との密接な意見交換及びそれを踏まえた論文執筆(共同論文含む)が進むなど、当初の計画以上に進展している。 ①③についても、各府省幹部(現役・OB)やマスメディアとの意見交換、総務省自治行政局研究会への参加を通じた地方現場の実態把握、学術誌及び一般誌における多くの発信機会及びそれに対するフィードバックを得て、順調に推移している。 海外研究者を招聘した官僚の応答限界受容をめぐるワークショップについては、2025年度中の実施を予定しているが、具体的な目途はまだ立っていない状況のため、2025年夏の国際学会出席の機会を活用して候補者との接触・日程調整等を行い、当初計画通りの開催ができるよう精力的に準備を進めてまいりたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年8月にグラスゴーで開催されるEuropean Group for Public Administration (EGPA)での欧州-日本特別パネルにおいて、NPM、NWSと日本を比較した「官僚の民主制規範の検証状況」の報告に応募し、既に採択されている。同パネルにおける討論及び意見交換に基づき、NWSをはじめ比較官僚制・規範論に造詣の深い海外研究者1-2名を招聘し、「官僚制の応答限界とその受容」をテーマとする国際ワークショップの年度内開催を目指す(現時点では、比較官僚制の第一人者であるE. Ongaro教授などの招聘を検討している)。 また、先行研究分析及び各省幹部・他国研究者との意見交換の成果について、米国をはじめ主要国の多くで顕著となりつつある民主制後退現象が日本で生じたとした場合の官僚制の反応を予測した論考「官僚のエートス論の復権?」を年報政治学2025年-Ⅰで公表する予定である。 さらに、本研究の集大成として、「リベラルデモクラシー体制下では、官僚制に不満を持つ世論が政権による一刀両断の解決を求めやすく、結果として体制自体の脆弱化を招く」というディレンマを中核に据え、主要国における官僚制の変化を比較分析した単著の執筆に着手しており、出版に向けた準備も進めている。
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| Causes of Carryover |
2024年度は海外研究者のヒアリング・主要国政府実態調査に向けた海外出張を予定していたが、先方費用負担によるソウル出張時に各国研究者5名との対面での意見交換・ヒアリングが実現し、当該旅費分が不要となった。それ以外の海外研究者とは、共同論文執筆の打ち合わせをはじめオンラインで必要な意見交換を行うことができた。 なお、2023年度には別事業(本学法政策共同研究センター「少子・高齢化と法・政治」ユニット)の招聘による海外研究者の来日機会を利用して本研究にかかる国際セミナーを開催できたため、予定していた招聘旅費負担が生じなかった分を繰り越している。 2025年度は、航空運賃や宿泊費が当初計画申請時に比して高騰する中、国際学会出席・意見交換に向けた英国出張、日本でのワークショップへの研究者招聘等において、ここまでの繰り越し額を有効活用することを想定している。
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