2023 Fiscal Year Research-status Report
高次元データを用いたノン・セミパラメトリック計量経済モデルの統計的推測法の開発
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23K01331
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
松下 幸敏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50593589)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ノン・セミパラメトリックモデル / 統計的推測 / 操作変数 / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、ランダム化比較試験 (randomized controlled trial, RCT)において、共変量の数が大きい場合の新しい推定と統計的推測の方法を提案した論文を執筆・改訂した。本論文は学術誌掲載のために投稿中である。第二に、機械学習の手法であるランダムフォレストによる統計的推測法の開発を始めた。特に、ランダムフォレスト統計量が高次元の不完全U-統計量で表現できることに注目し、不完全U-統計量の統計的性質の検討を行った。第三に、Mendelian Randomizationと呼ばれる統計分析において、操作変数の数が大きい場合の推定法と統計的推測法の開発を始めた。特に、Mendelian Rondomizatioにおいては、各個人のデータの代わりに要約統計量のみが利用可能である場合が応用上重要であり、そのような場合における統計的推測法の検討を行った。第四に、線形操作変数モデルにおいて、条件付尤度比検定(conditional likelihood ratio test)を弱操作変数と多操作変数の両方に対して頑健化する方法を提案し、その理論的性質を導出した論文を執筆・改訂した。本論文は学術誌掲載のために再投稿準備中である。第五に、サンプルのcross-fittingを用いることによっていくつかの検定の検出力を高めることができることを示した論文を執筆した。本論文は学術誌掲載のために投稿準備中である。第六に、パネルデータを用いた平均処置効果の推定において、共変量バランシング(covariate balancing)を用いた推定手法を提案し、その理論的性質を導出した。本論文は学術誌掲載のために投稿準備中である。第七に、観察研究における平均処置効果の推定において、共変量の数が大きい場合の新しい推定と統計的推測の方法を提案した。本論文は現在執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに、いくつかの大規模・高次元データを用いた計量モデルの統計的推測法の開発を始めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のそれぞれのプロジェクトにおいて、まずは第一稿を完成させることを目標とする。また、投稿中あるいは投稿予定の論文がそれぞれ学術誌に受理されるように執筆・改訂を進める。
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Causes of Carryover |
理由:2023年度は理論的性質の研究が中心となったため、数値実験および研究発表を2024年度以降に回すこととした。
使用計画:現在進行中の研究における数値実験の費用に充てたい。また、共同研究者との研究打ち合わせ及び学会における研究発表のための費用に充てたい。
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