2023 Fiscal Year Research-status Report
支援実践と政策の結びつきによる外国人児童支援システム構築に関する日台比較研究
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23K01953
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Research Institution | Hiroshima Bunkyo University |
Principal Investigator |
川瀬 瑠美 広島文教大学, 教育学部, 助手 (00909913)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 子ども支援 / 日本 / 台湾 / 教育福祉政策 / 外国人児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本格的な調査に向けた準備期間として位置づけ、関連理論と先行研究の整理と予備調査を行った。関連理論としては教育福祉理論の整理を中心に行った。先行研究としては、日台における子ども支援政策、社会福祉政策、教育政策の系譜整理を行った。その知見の一部として、台湾における福祉国家形成と再編について研究ノートを執筆した(川瀬瑠美「台湾における社会保障制度と福祉国家システムの拡大――社会扶助法の改正と民間団体との結びつき事例に」、インクルーシブシティ研究会『インクルーシブシティ第3号』、2024年3月、pp.51-57)。 さらに、本研究では日本の子ども支援を行う教師として人権担当教員にも着目する予定である。その土台として、人権教育の系譜と学校教育への位置づけを整理し、人権担当教員による実践の背景となる理論や歴史的背景を明らかにした(川瀬瑠美「近年における人権教育と学級経営の結びつき-公教育制度への位置づけと評価の観点から-」、2024年3月、『広島文教大学高等教育研究』第10号、広島文教大学高等教育研究センター、pp.1-12)。 そして予備調査として、台湾への調査と、大阪への調査を実施した。台湾への調査では、外国籍の子ども支援を行う「台北市新住民センター」、「台北市信義小学校」への訪問調査を行った。また大阪では人権担当教員を配置する小学校を訪問し、現在の子ども支援の状況や人権担当教員とともに外国籍の子ども担当の教員、校長と談話を行うことができた。 これら日台での予備調査では、本研究の概要、目的についての説明も行い、今後の調査についての内諾を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連理論と先行研究の整理を行い、日台の子ども支援政策、外国人児童への支援政策として行われてきた議論の中で、教育福祉理論を捉えなおすことができた。そしてその研究成果の一部を研究ノートや論文としてまとめることができた。 また次年度以降の本格的な質的調査に向けて、日台双方での予備調査を行うことができた。予備調査では次年度以降の本格調査に向けた内諾を得ることができた。 次年度からは、本格調査に向けた倫理審査申請等を行い、質的調査を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、台湾でのインタビュー調査を本格的に実施していく予定である。具体的には、台湾の外国人児童支援、子ども支援の政策担当者、小中学校に配置させる子ども支援を担当する教員へのインタビューを実施していく。 2023年度の政策に関する先行研究整理に関する知見と、政策担当者へのインタビュー等の知見を用いて、「台湾における外国人児童支援と教育福祉政策の展開」に関する論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
購入希望であった書籍の一部が発行終了しており購入ができなかった。次年度、別の書籍を購入し、使用する予定である。
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