2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of sustainable garment design support tool integrating garment engineering and consumer will
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23K01982
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天沢 逸里 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (80804989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 キョンオク 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (30724885)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 衣料品 / 消費者選好 / 環境配慮製品 / ライフサイクルアセスメント / リサイクル繊維 / サステナブルファッション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、サステイナブル化を実現するために必要となる、衣服設計と消費者意思の連携を明らかにすることで、「サステイナブルかつ消費者が選ぶ服」の設計支援手法を開発することを目的する。2023年度は、[1]衣服設計におけるサステイナブル化の環境影響評価のレビューと、[2]サステイナブル化に対する消費者行動分析と消費者選好モデルの開発に取り組んだ。 [1]衣服設計におけるサステイナブル化の環境影響評価のレビュー 衣服設計におけるサステイナブル化施策を国内外の事例から調査し、ライフサイクルアセスメント(LCA)事例をレビューした。結果として、アパレル産業においてポリエステルリサイクル繊維の導入は積極的に実施されているが、その他の施策(リペア、アップサイクル、オーガニック素材など)は限定的であった。また、LCA事例はリユースを対象とした評価が多く、リサイクルのLCAはペットボトル由来のリサイクルポリエステル繊維の事例が数件あるのみであった。その他の施策は質的な調査にとどまり、定量的な分析は行われていないに等しいことが分かった。 [2]サステイナブル化に対する消費者行動分析と消費者選好モデルの開発 サステイナブル化を実現するために必要な消費者の被服行動の条件を明らかにするために、[1]で把握した設計要素と消費者行動を関連付けた。次に、20代と50代の男女各10名を対象にインタビュー調査を実施した。さらに、20代から50代の男女を対象にWebアンケートを実施し、約40の回答数を得た。インタビューおよびアンケートの結果として、企業が実施しているサステイナブル施策に対して、リンクルフリーとタグのない衣服への購入意欲は高かったが、リサイクル素材を含め、他の取り組みへの意欲は低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サステイナブル施策に関するライフサイクルアセスメント(LCA)のレビューを実施し、消費者選好の少人数に対してインタビューおよびアンケートを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、具体的な衣服のサステイナブル施策を3~5 取り上げ、それらを対象としたLCAおよび被験者実験を実施する。まず、サステイナブル施策のLCAを実施し、それぞれの施策の具体的な環境負荷削減効果を算出する。被験者実験では、サステイナブル施策を取り入れた実物を使って消費者の感性および意識に関する情報を収集する。被験者実験データの分析結果をもとに、大規模なWebアンケートを実施することで、結果の一般化を試みる。
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Causes of Carryover |
LCA実施のためのライフサイクルインベントリデータベースを購入するための予算だったが、当該年度に具体的な評価対象を絞り込むことができなかっため、LCAは実施せず、データベースを購入しなかった。
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