2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of classroom instruction programs for preschools to assure literacy acquisition
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23K02255
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥村 安寿子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60749860)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 音韻意識 / 文字知識 / 集団指導 / 就学前教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
公立幼稚園に在籍する日本語母語児(約70名)を対象として,音韻意識と文字知識の獲得に関する調査,および文字知識の獲得を促す集団指導プログラムを実施した。集団指導プログラムは,身体の動きを通じてひらがなの形を捉える活動であり,担任教諭が1日1回10分程度の指導を行った。集団指導プログラムは6ヶ月間実施し,指導開始時と終了時に音韻意識と文字知識を評価した。介入効果の詳細は解析中であるが,集団指導プログラムを通じて,大多数の児が文字知識の到達目標(就学前年にひらがな清音を40文字以上読める)を達成したことが予備的な結果として得られている。集団指導プログラムの実行可能性については,担任教諭への聞き取りおよび指導記録から確認できており,プログラムの実施を通じて文字に対する興味・関心が向上したエピソードも多く報告されている。 音韻意識および文字知識の獲得を促す集団指導プログラムの長期的な効果検証として,本研究課題の開始以前に,音韻意識ないし文字知識の集団指導プログラムを行った対象児について,小学校1-2年生時点の音読能力を評価した。対象児は,就学前年に幼稚園で集団指導を受け,小学校1年生と2年生でひらがな音読の流暢性を評価する追跡調査に参加した。追跡結果についても解析中であるが,音韻意識・文字知識のいずれの集団指導プログラムについても,明らかな原因が想定される児を除き,顕著な音読困難を示した児は少ないことが示されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語母語児については介入指導,追跡調査ともに計画通り進行している。一方,言語的マイノリティ児の調査,および社会経済的状況の調査についてはやや遅れているため,おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
主に日本語母語児で得られた成果に基づき,音韻意識と文字知識に対する発達的・言語的・社会経済的背景の検討を進め,集団指導プログラムの継続と改良を図る。
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Research Products
(4 results)